10/31にメルカリの2023年第一四半期の決算発表が行われました。
「昨年度の赤字から黒字化してたから大丈夫かな?」
「今後の株価はどうなるのかな・・」
決算発表後に株価が大きく上昇したので、期待を感じている人が多いと思います。
決算発表の内容を詳細に分析したので解説していきます。
この記事の内容を読むとこんなことが分かります。
- メルカリ2023年度第一四半期の決算発表の内容をまとめました
- メルペイ事業の利益が伸びて、業績へ寄与し始めました
- 過去最高売上で黒字決算ですが、米国事業は売り上げが低下しています
著者について
- 2021年からメルカリ株に投資を開始、毎決算ごとに決算短信を分析しています
- 日常生活でもメルカリを愛用、年間数十点の売買をしているヘビーユーザーです
- 個人投資家歴15年以上、インデックス投資を中心に30代で資産4,000万円オーバー
・この記事を書いている私のプロフィールはこちらです。
- 節約と投資と副業が趣味の40代サラリーマン
- 仕事は原価計算などお金に関する仕事一筋
- 趣味が興じて簿記2級を独学で取得
- 4人家族で生活費は月27万円。資産は4千万
- 35歳でうつ病を経験し、会社に依存しない生き方に挑戦中
メルカリ最新決算を分析したので説明します。赤字でも株価は大丈夫?
メルカリの2023年第一四半期の決算結果
10/31に行われたメルカリの第一四半期決算発表が行われました。
メルカリの株価は2022年の5月に、上場来高値の約半値まで値を下げていました。
その後は横ばいで株価は推移して、今回の決算後に大きく上昇しました。

改めて今回の決算発表の内容が投資家にプラスの印象を与えたといえます。。
それでは実際に数値で今回の決算発表を確認していきましょう。
連結決算の推移
先ほどの結果をさらに詳しく分析していきます。
売上高と利益
四半期ごとの売上高と営業利益の推移がこちらです。

売上高は過去最高を記録して、営業利益も前年度の赤字から黒字に転換しました。
この結果を見て投資家に好印象を与えたと言えるでしょう。
さらに詳しい解説は後ろの章で行います。
資産
続いて資産の推移を確認します。

総資産は前年度末より約20億円増加しています。
その中の流動負債(短期の返済金)が17億円の増加なので、資産と負債のバランスは変わっていません。
つまり財政状況の悪化は起きていないといえます。
メルカリJPの業績分析を解説

メルカリの事業は大きくメルカリJPとメルカリUSに分かれています。
まずは日本国内の事業を統合しているメルカリJPの業績の分析結果を説明していきます。
売上高と利益
メルカリJPの四半期ごとの売上高と営業利益の推移がこちらです。

売上高は今回過去最高ですが、それ以上に営業利益が大きく伸びている点が好印象です。
2022年の第四四半期と比べて売上の伸びが、ほぼ営業利益の伸びと一致しています。
その理由は後述する原価率の改善によるものです。
原価の推移
続いて四半期ごとの原価の推移を分析していきます。
棒グラフが各項目ごとの原価(億円)を示していて、折れ線グラフが原価率(原価÷売上高)です。

この結果を見ると今回の決算で原価率が大きく改善しています。
まず広告宣伝費が2022年第三四半期と比べると▲25億円となっています。
その他には支払い手数料や人件費の削減などが寄与しています。
広告宣伝費や人件費を削っても売上は下がっていないので、安定した経営と言えるでしょう。
不正利用の影響
メルカリJPの業績でで気になるのは不正利用の影響です。
メルカリによると前回決算では、不正利用の影響で約16億円の損害が発生したとあります。
不正利用とは
- 不正に入手したクレジットカード情報で商品を購入
- 電話番号認証などセキュリティの強化で対策
- 第四四半期にも同程度の費用が発生するが、2023年度には減少の見通し
2023年度に向けて3Dセキュアの導入などに取り組むとしていましたが、今回の決算では不正利用について触れられていませんでした。
一定の効果があったと推察することができます。
メルペイ(Fintech)の業績
売上高と利益
今年度の決算発表からメルペイの営業利益が公表されるようになりました。

売上高、営業利益ともに順調に成長しています。
また営業利益が11億円に達していていて、会社全体の1/3を占めています。
クレジットカード事業への参入
今後はクレジットカード事業に参入し、グループシナジーを活かした取り組みを進めるそうです。

メルカリ決済で便利に使えるクレジットカードを提供して、ユーザー獲得を目指すとのことです。
メルカリUSの業績分析を解説

続いて2つ目のメイン事業、メルカリUSの業績を分析した結果を説明します。
売上高と営業利益の推移
まずは売上高と利益の推移です。

2021年第三四半期に過去最高売上高を記録してから、メルカリUSの売上高は低空飛行を続けています。。
一つの原因は2021年がコロナで在宅者が多く急激に売上高が伸びたことです。
つまり前年度はその反動を受けて売り上げが伸びなかったと考えられています。
そこで前年度には多額の広告宣伝費をかけて、投資を行っています。

その投資が結果に結びついてほしいところでしたが、今期は売上高が低下しています。
厳しいインフレで需要が減退したことが原因とメルカリはしていますが、楽観してはいけないでしょう。
インフレが収まっても回復しないとヤバい状況でしょう。
アメリカの中古品市場の拡大
なぜメルカリが大規模な投資で認知度を上げようとしたかというと、アメリカの中古品市場の拡大に乗り遅れないためといえます。
アメリカの中古品市場の拡大は今後、年率10%を超える成長が予想されています。

ですがメルカリUSは日本市場と違って後発であり、会社も同業他社より小規模です。
今後この大きな市場でシェアを拡大するには、利益を追求する時期ではないのでしょう。
日本の数倍の市場規模があるアメリカで、大きな成功を得られれば株価が数倍になる可能性もあります。
ただしメルカリUS事業が軌道に乗らない場合、成長の行き詰まりは避けられないでしょう。
最後に
メルカリの株価は昨年から低調に推移しているため、保有している投資家は決算で不安に感じている思います。
今回の決算で株価が上昇して少し安心したという投資家もいると思います。
では今後の株価はどうなるだろうと考えると、大きな要因は以下の点と考えます。
- メルカリUSの売上・利益回復
- メルペイ事業の成長継続
- 投資家心理の改善
特にメルカリUSの低迷が一時的なものかどうか、次回以降の決算で中止する必要があります。
※投資はあくまでも自己責任であり、株の購入は推奨いたしません
このブログではさらに詳しい投資に関する知見をこちらの記事でまとめています。
このブログでは節約・副業・投資に関する資産形成に役立つ情報を紹介しています。
一人でも多くの読者の方が、今日から豊かな人生設計を始めるきっかけになればと思っています。
良かったら気になる記事があれば、こちらから是非お読みください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事の参考文献・関連サイト
※関連記事です
←この記事がお役に立ちましたらクリックしていただけると励みになります
人気ブログランキング
←この記事がお役に立ちましたらクリックしていただけると励みになります
にほんブログ村
コメント