「がん保険に昔入ったきりだけど、本当に要るのかな?」
「実際がんにかかっても健康保険に入ってるから大丈夫じゃないの?」
こんな疑問を持っている人がいれば、がん保険の必要性を理解していただきたいです。
結論を言うと、がん保険は会社員には不要です。
何となく不安だからで入っていると、毎月数千円を無駄遣いしています。
大切なことですが、保険会社は売り上げに下がることは教えてくれません。
がん保険が会社員に不要な理由を詳しく解説しているので、是非最後までお読みください。
プロローグ

友達のお父さんが癌にかかったんだって。
がん保険で手術費まかなえたんだって。
うちも入ったほうが良くない?

そうなんだ。
でも貯金があれば別にがん保険はいらないでしょ。

だって何百万もかかるんでしょ。
そんなに貯金できないよ。

そんなことないよ。
健康保険に入っていれば、ほとんど返ってくるからね。
この記事の内容を読むとこんなことが分かります。
- 60歳以下でがんにかかる確率は10%以下で、9割が払い損です
- がんの治療費は10万円以下で、貯金で賄う方が賢い選択です
- 傷病手当を利用すれば休業しても手当がもらえます
- がん保険のセールストークに注意しましょう
- がんは保険の掛け金を払うより、予防と貯金で備えましょう
著者について
- 入社すぐに加入したがん保険で毎年数万円を無駄遣いした過去があります
- 医療保険や無駄な出費を削って投資を開始、40歳で資産は4000万円オーバーしました
- 平均年収の会社員がお金に困らない生活を手に入れる情報を発信しています
・この記事を書いている私のプロフィールはこちらです。
- 節約と投資と副業が趣味の40代サラリーマン
- 仕事は原価計算などお金に関する仕事一筋
- 趣味が興じて簿記2級を独学で取得
- 4人家族で生活費は月27万円。資産は4千万
- 35歳でうつ病を経験し、会社に依存しない生き方に挑戦中
がん保険が無駄・無意味で会社員に必要が無い理由

がん保険に入らなくて良い理由を4つ解説します。
- 20代・30代・40代はがんに基本ならない
- がんにかかっても元が取れない
- 治療費が高くない
- 会社員なら傷病手当金がもらえる
理由①20代・30代・40代はがんに基本ならない
がん発症率を年齢ごとにまとめた結果がこちらです。
10年後のがん発症率
- 20代:男0.3%、女0.4%
- 30代:男0.6%、女1%
- 40代:男2%、女4%
- 50代:男6%、女6%
会社員が入社してから定年までのがん発症率は1桁で、ほとんどの人がかかりません。
若いうちは保険料が安いから早めに入ったほうがいいと言われたりしますが、ほとんどの人が無意味な払い損になってしまいますよね。
理由②がん保険は割に合わない
がんにかかったときに受け取れる給付金の例を計算してみます。
胃がんで20日間入院して手術を受けた場合の給付金
- 入院給付金:20万円
- 手術給付金:10万円
- 診断一時金:100万円
給付金の合計は約130万円です。
一方で22歳からがん保険に加入した場合の、毎月支払う掛け金の累計金額は以下の通りです。
掛け金の累計金額
- 30歳:約17万
- 40歳:約46万
- 50歳:約87万円
- 60歳:約141万円
(参考:アクサダイレクトのがん終身のデータより計算)
胃がんにかかった場合にもらえる保険金130万円と、60歳までの掛け金がおおよそ一致しています。
しかし60歳までにがんにかかる人の割合は、前述したとおり1割もいません。
つまり9割の人が払い損になっています。
理由③健康保険・高額医療費制度に入っている
会社員は毎月高額の社会保険を給料から払っています。
そうすると医療費の自己負担は3割です。
さらに社会保険に入っていれば、高額医療制度が適応されます。
高額医療制度とは毎月の医療費が一定以上になると、その分は保険で支払われる制度です。
月収によって上限額が変わり、おおよそ以下の表の通りです。

会社員の多くは自己負担額限度額は約8万円となります。
つまり、がん治療に1か月100万円かかっても、実際に払うのは8万円で済みます。
理由④治療費が高くない
がんにかかるとどれくらいの費用がかかるのか、以下の表にまとめます。

治療費はがんの種類にもよりますが、20万円から30万円が相場です。
ですが前述したとおり、実際に負担する金額は約8.5万円です。
これだけの貯金があれば、保険で備える必要はありません。
理由⑤会社員なら傷病手当金がもらえる
「がんで働けなくなって収入が無くなると困る」と思うかもしれません。
その点も会社員なら雇用保険に入っているので、病気などで働けなくても傷病手当金がもらえます。
月給の6割が支給されるので、1か月間休業した場合は10万円程度収入が下がるだけです。
つまり治療費と収入減を合わせた約20万円の貯金があれば、がん保険に入る必要はありません。
そして20万円は22歳から30歳までの掛け金を貯金すれば貯まる額です。
がん保険がいるというセールストークに注意しよう

これだけ無意味ながん保険ですが、日本人の6割近い人ががん保険に加入しています。
しかしがん保険に加入してるのは日本人ぐらいで、世界を見渡すとほとんどの人が入っていません。
なぜ日本人はこれほどがん保険が大好きになってしまうのでしょうか。
そこには保険会社の巧みなセールストークに原因があります。
①がん保険で「がんが治る」わけが無い
がん保険のコマーシャルは心理的に視聴者に恐怖を上手にあおって、保険の加入をすすめてきます。
若くしてがんにかかった患者が「がん保険に入っておいて良かった」というものです。

コマーシャルを見ると、がん保険に入っていたからがんが治ったような錯覚しがちです。
ですががん保険に入っていても、治療内容は変わらないので、保険によって治るわけではありません。
②2人に1人ががんになるから保険がいる
がん保険のPRで本当によく聞くフレーズが「2人に1人ががんになる」です。
確かに国立がん研究センターによると、生涯でがんにかかる割合は男性で62%、女性で46%なので、おおよそ2人に1人ががんにかかっています。
ですが、がんにかかる年齢は60歳までは10%以下です。
会社員が60歳までがん保険に入っても、9割の人が払い損になってしまいます。
③20代・30代でも万が一がある
「若いうちでもがんになる可能性は0ではない。万が一に備えるのが保険」
そんな理屈でがん保険を薦めてくることがありますが、これも鵜呑みにしてはいけません。
30代までにがんにかかる確率は2%以下で、30代の死因では自殺3分の1以下です。
たしかにがん保険に入っていて、若いうちにがんにかかると金銭的にはプラスになります。
ですが確率的に考えれば98%の人が損をするわけで、がん保険に入る必要はないといえます。
④先進医療保障が受けられる
先進医療とは保険適用外で全額自己負担になる治療方法のことです。
「重粒子線治療」や「陽子線治療」という治療方法が、年間で7千件ほど実施されていて、1件当たり250~300万円の費用がかかります。
そのためがん保険に「先進医療特約」をつけておくと、治療の選択肢が増えて安心だと勧められます。
ですが先進医療=最先端医療と勘違いしがちですが、そうではありません。
もし多くの人に有効な治療方法と認められていれば保険が適応されています。
先進医療が実施される確率はわずか0.02%なので、保険治療に入れられていないのです。
【結論】がん保険に払うより貯金と健康維持が大切

がんは予防次第で発症率を下げることが可能です。
また保険の掛け金を払うより、その分貯めておいた方が有効な使い方ができます。
無意味な保険金を払うより貯金すればいい
がん保険の掛け金は22歳から60歳まで払うと約140万円です。
このお金を掛け金に払わずにとっておけば、自分で用途を自由に決められます。
そして、もしがんになっても治療費をすべて払うことも可能です。
これを分かりやすく表にまとめてみます。
60歳でがんになった場合とならなかった場合で、保険に加入有る無しで手に入るお金を比較します。

保険に加入しているとがんになった場合は140万円を受け取れますが、がんにならなければ0円です。
一方で保険に加入しなければ、がんに関係なく140万円は貯められてます。
がんを下げる習慣を身につけよう
がんは生活習慣病と呼ばれていて、気を付ければ発症リスクを下げることが可能です。
「喫煙」「飲酒」「運動」「食生活」「体重維持」の5つを注意すると、最大で約6割まで発症率を下げられます。

生活習慣を見直せば健康にもなれて、がん保険に入るお金や治療費も浮いて一石二鳥です。
本当に意味がある保険とは
がんのように自分で備えられるリスクは、保険に入る必要はありません。
保険とはそもそも自分では備えられないリスクで、それが起きると人生が破綻する場合に加入するものです。
その観点で見ると、本当に必要な保険は以下の3つだけです。
- 生命保険
- 自動車保険
- 火災保険
自分が死ぬと残された家族が生活できない、死亡事故や火災をおこして多額の賠償金が発生すると、自分ではどうすることもできないからです。
詳しくはこちらで解説しています。
最後に
がん保険に入るより貯蓄や予防に気を付ける方が、賢い選択である理由を解説してきました。
掛け金を払うより貯蓄しておけば、人生のあらゆるリスクに対応することができて、よほど保険として価値があると思います。
- 定年後のお金が不足する
- うつ病やケガで働けなくなる
- 両親の介護費用がかかる
- 子供の養育費がかかる
がんよりも起こり得る人生のリスクに備えるために、不要な掛け金を見直してみてはいかがでしょうか?
がん保険以外にも、医療保険も同様に不要な理由をこちらで解説しています。
保険の節約以外にも、節約に関する知見をこちらの記事でまとめています。
このブログでは節約・副業・投資に関する資産形成に役立つ情報を紹介しています。
一人でも多くの読者の方が、今日から豊かな人生設計を始めるきっかけになればと思っています。
良かったら気になる記事があれば、こちらから是非お読みください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事の参考文献・関連サイト
- 東洋経済ONLINE「先進医療特約」の割に合わないカラクリ」
- 東洋経済ONLINE「保険はできるだけ入らない」が世界の常識」
※関連記事です
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