「仕事がきつい。早くリタイヤしたい!」
「早期リタイヤしたいけど、すぐに飽きちゃわないかな。」
会社に行くのがつらいと、まとまったお金を貯めてFIREしたいと思うかもしれません。
確かにしんどい仕事を、生きるために続けるのは不幸なことです。
ですが無計画にFIREすると、こんなはずじゃなかったと後悔すると思います。
私は30代のときに会社を1年半も休んで、疑似FIRE生活を体験しました。
毎日何してもいい自由な期間を過ごした体験談から、おすすめしない理由を解説します。
この記事の内容を読むとこんなことが分かります。
- 自由なFIREがつまらない理由
- FIREをやめたほうがいい理由
- FIREより自由な選択型サラリーマンとは
著者について
- 35歳でうつ病で1年半の休職を経験、仕事の有難さに気づきました
- うつ病の休職経験を経て、資産形成を開始し資産4千万円達成しました
- 経済力を持ちながら働く「選択的自由」を推奨しています
・この記事を書いている私のプロフィールはこちらです。
- 節約と投資と副業が趣味の40代サラリーマン
- 仕事は原価計算などお金に関する仕事一筋
- 趣味が興じて簿記2級を独学で取得
- 4人家族で生活費は月27万円。資産は4千万
- 35歳でうつ病を経験し、会社に依存しない生き方に挑戦中
FIREはぼけるつまらないからやめとけ。長期休暇で分かったこと

最初に捕捉ですが、私はすべてのFIREを否定するわけではありません。
やりたいことが無くて、仕事がしんどいからやめたいというFIREはやめたほうがいいと思います。
その理由を解説していきます。
なぜFIREしたいのか
20代、30代といった若い世代でFIREに関心を持つ人が増えているそうです。
FIREとは
- 節約で生活費を下げて不労所得で暮らす
- 時間に縛られないで暮らせる
- 好きな場所で生活できる
一見するといいことばかりに見えますが、誰にでも合うわけではありません。
私は1年半の疑似FIRE生活を送りましたが、仕事に復帰したほうが楽しく暮らせています。
FIREがなぜつまらないのか
FIREとは収入が無くても生きていける経済力を持ち、退職して自由に過ごすことです。
なぜ自由を手に入れた生活が満足できないか、解説していきます。
お金を使うことに罪悪感を感じる
FIREに必要と言われている経済力は以下の通りです。
- 年間支出の25倍の資産
- 貯めた資産を年4%で運用
この2点が達成できれば、運用の収入だけで生活費を賄えるので、働かなくてよいという考えです。
ただし本当にこのルールを実行すると、資産をほとんど株などリスク資産に投資する必要があります。
元本保証の銀行預金では到底4%で運用できないからです。
そしてFIREした後に景気悪化で配当金が減れば、4%の運用では生活費は賄えません。
そうなると資産を取り崩して生活することになります。
そういったリスクを考えると、恐怖でお金を使えなくなります。
孤独な時間が多い
サラリーマンがFIREしても、周りの友人たちは普通に働いています。
自分ひとりだけ自由な生活を手に入れると、いつも孤独な時間を過ごすことになります。
孤独でお金も使えずに、自由な時間ばかりあってもつまらないですよね。
お金のかからない趣味、テレビやゲームだってすぐに飽きてしまいます。
私が休業した時は1か月もすると解放感を感じなりました。
むしろ孤独な時間がしんどく感じるようになりました。
やることがない
ストレスのない生活を送ると、今度はストレス耐性が無くなっていきます。
そうすると、ちょっとでも面倒なことは手を出したくなくなります。
- 人と関わることが嫌になる
- 読書が苦痛になる
- 雨の日に外に出られない
自由なはずなのに何故か行動の幅が狭まっていきます。
気付くと毎日似たようなルーティーンでつまらない日々を送ってしまいます。
FIREをやめとけという理由。リスクとデメリット

FIREはつまらないだけではなく、多くのリスクとデメリットがあります。
トラブルに弱い
FIREが成り立つ前提として、生活費を不労所得で賄う必要があります。
生活費が20万円の人なら、不労所得を年間300万円(税金60万円)もらう必要があります。
ですが不労所得は会社の給料より不安定な収入です。
FIRE後の様々なリスク
- 株価の暴落
- 企業業績悪化で配当が減る
- 空室や家賃下落リスクで家賃収入が減る
- インフレが起きて生活費が上がる
- 健康状態が悪化して医療費がかかる
- 親の介護費用が発生
会社員であればトラブルが起きても、安定した給料が毎月もらえます。
また社会保険や勤務先の援助制度などを利用できますが、FIREすると助けてくれる人はいません。
FIREをやめたくなっても抜けられなくなる
私はうつ病で1年半休職して復帰した後、慣れるまで非常に苦労しました。
1年半であっても社会生活に必要な基本能力が明らかに低下しました。
- 朝決まった時間に出勤するのがきつい
- 基本的な思考能力が落ちている
- 対人ストレスに弱くなる
- 同じ作業を8時間続けるのが苦痛
会社に行くことで私たちは、無意識に多くのスキルを手に入れています。
さらに長い数年間のブランクがあると、普通の会社勤めは無理だと思います。
そうすると最低時給の簡単な仕事しかできない上に、単調な作業を何時間もこなすのも苦痛でしょう。
孤独がもたらすリスク
孤独の弊害は寿命が縮むことです。
アメリカ・ブリガムヤング大学の研究によると、孤独は1日15本の喫煙よりも寿命に悪影響を与えます。
以下のグラフで示すように、孤独は喫煙、飲酒、運動不足、肥満より悪影響です。

孤独を感じる人の死亡率や病気のリスクは次のように格段に上がります。
- 死亡率:1.3~2.8倍
- 心疾患:1.3倍
- アルツハイマー:2.1倍
- うつ病:2.7倍
- 自殺願望:3.9倍
ぼける
多くの時間を一人で過ごし、経済的な心配がなくなり、やるべきこともなく過ごしていると確実に人間はボケると思います。
定年退職後のサラリーマンがよく陥るパターンと一緒です。
筋肉と同じで脳みそも使わなければ同じように衰える仕組みだからです。
私が休養明けに復帰したときは、同じ作業に倍の時間がかかってしまいました。
30代や40代の体や脳がまだフル稼働できる時から錆びさせて良いのでしょうか?
FIREせずに楽しく生きる方法を考えよう

それではFIREよりもっと自由で魅力的な生き方を提案します。
FIREは手段であって目的・目標ではない
私はすべてのFIREを否定するつもりはありません。
ただFIREを目的にしている考え方には違和感を感じます。
やりたいことがあって、そのために時間が必要だからFIREなら有意義に過ごせると思います。
つまりFIREは目的ではなく手段です。
経済的自由を確保しながら働く
FIREという生き方は自由に見えて、実は自分から生きる選択肢を狭めています。
一度FIREすると復帰できる仕事が限られるからです。
それよりも私が推奨する方法は「FIREできる資産を持ちながら会社員として働く」です。
メリットは会社がつらい時に、その職場にしがみつく必要が無いことです。
上司の査定を気にしなくてよい、メンタルが病むまで働かなくてよいなどメリットがあります。
強制ではなく自分が選んで会社に来ていると考えられるようになります。
会社をやめても稼げるスキルを持つ
さらに精神的に安定を得るために、おすすめしたいのが副業です。
本当に会社が嫌になって退社した時に、副業で稼げると転職までの収入確保ができます。
例えばWEBライターのようにPC一つで稼げる仕事が増えてきています。
仕事以外の楽しみを持つ
会社を辞めても困らないためのもう一つ大切な要素は、「会社以外でできる趣味」です。
会社に行かなくなって、「つまらない」「ボケる」ことにならないためです。
特に会社以外に友人がいないと、会社を辞めると途端に孤独でボケまっしぐらです。
最後に
目的のないFIREはやめとけという理由、FIREせずに楽しく働く方法を解説してきました。
毎日の仕事がきついとFIREを目的に考えるのはよく理解できます。
ですが経済的自由を得ると、仕事を選択できる立場にいる余裕が生まれます。
そうなると同じ仕事でも感じ方が変わりストレスも大幅に減ると思います。
もちろん、いきなりそんな経済的な自由は手に入れられませんのですが、一攫千金を狙う方法はお勧めできません。
一歩ずつ資産形成を始めることをおすすめします。
その理由はお金を守る力、増やす力を身に着けられないからです。
このブログでは節約・副業・投資に関する資産形成に役立つ情報を紹介しています。
一人でも多くの読者の方が、今日から豊かな人生設計を始めるきっかけになればと思っています。
良かったら気になる記事があれば、こちらから是非お読みください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事の参考文献・関連サイト
- 樺沢紫苑(著)「ブレイン メンタル 強化大全」
- 日本経済新聞「令和なコトバ「FIRE」 早期退職の新たなスタイル」
- 山崎俊輔 (著)「普通の会社員でもできる 日本版FIRE超入門」
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