世界各国で売られているビックマックの価格に着目すると、その国の購買能力を容易に比較できます。
2022年のデータから、かつて世界経済を席巻した日本の国際競争力が、いかに低下したかが分かります。
2022年最新データから日本のビックマック指数について詳しく解説します。
この記事の内容を読むとこんなことが分かります。
- ビックマック指数の見方、仕組みを解説します
- 2022年のビックマック指数を紹介します
- 日本のビックマック指数の現状、推移を紹介します
著者について
- うつ病をきっかけに給料に依存しない生活を目指し資産形成を開始
- 4人家族で生活費は月27万円に到達しました
- 節約・副業・投資を駆使して30代で資産4000万円に到達しました
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- 節約と投資と副業が趣味の40代サラリーマン
- 仕事は原価計算などお金に関する仕事一筋
- 趣味が興じて簿記2級を独学で取得
- 4人家族で生活費は月27万円。資産は4千万
- 35歳でうつ病を経験し、会社に依存しない生き方に挑戦中
【2022年版】ビッグマック指数推移は?日本の現実が見えてくる
ビッグマック指数とは
ビックマック指数とは、マクドナルドのビックマックの単価を米ドル換算して、世界各国で比較した指数です。
同一商品の価格の違いで、各国の経済力や為替の状況などを把握する数値です。
材料費や人件費、輸送費など細かいこと言えば違いはありますが、分かりやすく比較ができるメリットがあります。
ビッグマック指数の計算方法
計算方法は以下の通りです。
ビックマック指数=(対象国の販売価格÷アメリカの販売価格×為替)-100%
例えば日本で400円のビックマックが、アメリカで5ドルだったとします。
1ドルが120円で計算すると、ビックマック指数は以下の通りです。
(400円÷5ドル÷120円/ドル)-100%≒-33%
ビッグマック指数でわかること
ビックマック指数を見ると、アメリカとその国の物価の違いが分かります。
先ほどの例でいえば、アメリカ人が日本に来てビッグマックを買うと「物価が安い」と感じます。
反対に日本人がアメリカに行くと「物価が高い」と感じることになります。
アメリカや世界と比べて、購買力(経済力)がどれだけあるかが分かるということです。
2022年のビッグマック指数
調整前のビッグマック指数
2022年1月に「The Economist」で公表された最新のビッグマック指数を紹介します。
アメリカと世界各国のビックマック価格を比較したグラフがこちらです。
このグラフはアメリカを基準として世界各国のビックマック価格を示しています。
この中で日本は下記のグラフの濃い緑で示した点です。

このグラフによると、日本のビッグマック指数はアメリカの-41.7%となっています。
どういう計算方法か説明します。
アメリカでビックマックは$5.81、ドル価格は114.97円/ドルです。
先ほどの計算式に数値を当てはめると以下の通りです。
390円÷5.81ドル÷114.97円/ドル×100%≒-41.7%
一人当たりGDP調整後のビッグマック指数
続いて国ごとの生産性を加味して比較を行ったビックマック指数を紹介します。
さきほどのグラフを各国の一人当たりGDPで調整した結果がこちらです。

これによると日本のGDP調整後のビックマック指数は-30.4%です。
この計算方法は以下の通りです。
日本の一人当たりGDPは、アメリカより約16%低い(※)ので、アメリカのビッグマック価格より16%安い559円(668円×0.84)が妥当です。
ですが実際は390円なので、アメリカの価格の69.4%(390円÷559円)となります。
つまり日本のビックマックは、アメリカの価格のマイナス30.4%になるという意味です。
それでは次の章で、この結果が意味することを解説します。
※「The Economist」のデータによる
日本のビッグマック指数推移から分かる貧困化

日本のビッグマック指数の推移
日本のビックマック指数の推移を見ると、いつから貧困化が進んだかが分かります。
ここ20年の推移は以下の通りです。
青い折れ線が上に行くほど、アメリカのビックマック価格が日本より上がっていることを示しています。

グラフを見ると2014年から8年間で特に、顕著にビックマック指数は低下しました。
10年前のビックマック価格は日本では320円(4.09ドル)、アメリカでは4.33ドルでほとんど変わりませんでした。
さらに20年前まで遡ると、日本のビッグマックは世界で5番目に高かったというデータがあります。
日本のビッグマック指数のランキング
2022年のランキングでは、調査対象57カ国・地域中で日本は31位です。
いくつかの国と比較した結果は以下の通りです。
ビックマック指数ランキング
- アメリカ:3位
- イギリス:11位
- タイ:23位
- 中国:24位
- 韓国:25位
- 日本:31位
このように欧米との差が顕著になり、さらにアジアの中でも日本の物価は安くなりました。
以前はアジアに行くと「ご飯が安い」と喜んでいられましたが、そんな時代では無くなったようです。
円換算で見るビックマック価格
さらに分かりやすく比較をするために、各国のビックマック価格を円に換算してみます。

スイスの価格は949円と日本の410円の2倍以上高く、米国でも738円と2倍近い。
中国や韓国でも日本を上回る金額に設定されています。
ビックマック1個買うのに必要な労働時間
続いてビックマック1個を買うために労働時間を核国と比較してみました。
各国のビックマック価格と最低賃金から計算した結果がこちらです。

もっとも労働時間が多いのは米国で約40分、少ないのはオーストラリアの約20分でした。
日本は約25分となっており、極端に多かったり少ないわけではありませんでした。
ただしその理由はビックマック価格が他国より圧倒的に安いことが原因で、最低賃金自体は断トツの最下位です。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
急激に貧しくなった日本
ビックマック指数の低下は、日本の国際的な地位が下がったことを意味しています。
その大きな原因は円安です。

この10年でドルに対して円は約50%値下がりしています。
気づかないうちに私たちの貯金も給料もすべて50%カットされています。
このまま円安が続けば、さらに日本の国際的な地位の低下は避けられません。
生活に密着した話をすれば、給料が上がらないのに円安が続くと、買えるものが減少していきます。
さらに定年すると年金では普通の暮らしもできない時代がくるかもしれません。
そのため年金だけに頼らず、自分で老後に備えることが重要ではないでしょうか。
最後に
今回は日本が置かれている国際的立場が、いかに厳しいかをビックマック指数を使って紹介しました。
昭和時代は会社の指示に従って、まじめに働いていれば普通に暮らせる時代でした。
それは日本という強い国家の中にいたから実現できていました。
ですが現代の日本はまじめに働いても、給料は上がらずに物価と税金は上がるため、日々貧しくなっていきます。
そのため個人で稼ぐ力、資産を守り増やす力を持っていないと、普通の暮らしも維持できなくなります。
自分や家族を守るために、まずは家計の見直しから始めてみませんか?
さらに詳しい家計簿に関する知見をこちらの記事でまとめています。
このブログでは節約・副業・投資に関する資産形成に役立つ情報を紹介しています。
一人でも多くの読者の方が、今日から豊かな人生設計を始めるきっかけになればと思っています。
良かったら気になる記事があれば、こちらから是非お読みください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事の参考文献・関連サイト
- PRESIDENT Online「日本のビッグマックはタイより安い…日本が急激に貧しくなったのは「アベノミクス」の責任である」
- The Ecomost「big-mac-index」
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