4/28日にメルカリの2022年第三四半期の決算発表が行われました。
「赤字が増えているけど大丈夫なの?」
「今後の株価はどうなるのかな・・」
株価が下降を続けているので、不安を感じている人が多いと思います。
決算発表の内容を詳細に分析したので解説していきます。
この記事の内容を読むとこんなことが分かります。
- メルカリ2022年度第三四半期の決算発表の内容をまとめました
- 赤字決算ですが原因は宣伝広告費の拡大で、事業の落ち込みではありません
- 国内事業、米国事業それぞれの業績をまとめて解説します
著者について
- 2021年からメルカリ株に投資を開始、毎決算ごとに決算短信を分析しています
- 日常生活でもメルカリを愛用、年間数十点の売買をしているヘビーユーザーです
- 個人投資家歴15年以上、インデックス投資を中心に30代で資産4,000万円オーバー
・この記事を書いている私のプロフィールはこちらです。
- 節約と投資と副業が趣味の40代サラリーマン
- 仕事は原価計算などお金に関する仕事一筋
- 趣味が興じて簿記2級を独学で取得
- 4人家族で生活費は月27万円。資産は4千万
- 35歳でうつ病を経験し、会社に依存しない生き方に挑戦中
メルカリ最新決算を分析したので説明します。赤字でも株価は大丈夫?
メルカリの2022年第三四半期の決算結果
4/28に行われたメルカリの第三四半期の決算発表が行われました。
決算発表までの株価は決算への不安からか、値下がりを続けていました。

2021年に記録した上場来高値の約30%の2,210円まで値を下げています。
私自身、メルカリに投資していますが、ここまでの値下がりは予想外でした。
改めて個別株投資の恐ろしさを肌で感じています。
そして今回の決算内容が悲惨な内容だと、さらにメルカリの将来に期待した投資家は大きなダメージを受けることになります。
では、まず具体的な公表値を確認しましょう。
連結経営成績(第一四半期からの累計)
- 2022年第三四半期:売上1097億円(純利益△77億円)
- 2021年第三四半期:売上769憶円(純利益35憶円)
売上は約40%の成長ですが、純利益は一転して赤字に落ち込んでいます。
果たしてこの結果をみて、どのように考える必要があるのでしょうか。
連結決算の推移
先ほどの結果をさらに詳しく分析していきます。
売上高と利益
四半期ごとの売上高と営業利益の推移がこちらです。

売上高を見ると成長が継続していますが、営業利益はバラツキが大きいことが分かります。
もう少し詳しく赤字の原因を探る必要があるため、後ろの章で解説します。
資産
続いて資産の推移を確認します。

総資産は約70億円増加していて、その中の流動負債(短期の返済金)はそれほど増えていません。
つまり財政状況の悪化は起きていないといえます。
メルカリJPの業績分析を解説

メルカリの事業は大きくメルカリJPとメルカリUSに分かれています。
まずは日本国内の事業を統合しているメルカリJPの業績の分析結果を説明していきます。
売上高と利益
メルカリJPの四半期ごとの売上高と営業利益の推移がこちらです。

売上高は順調に伸びていて、営業利益は横ばいに見えます。
つまり経費が大きくなって原価率が高くなっているということです。
もし原価率の中で固定費が増えていると、ビジネスが儲からなくなっていることを示しています。
その場合は根本的なビジネスモデルの問題ですので、重大な懸念になります。
原価の推移
続いて四半期ごとの原価の推移を分析していきます。
棒グラフが各項目ごとの原価(億円)を示していて、折れ線グラフが原価率(原価÷売上高)です。

この結果を見ると原価率は、2020年第四四半期を底に悪化しています。
ただし増加しているのは主に広告宣伝費で、固定費の増加ではありません。
今後の売り上げ拡大に向けた投資なので、事業の成長に繋がれば問題ないと思われます。
不正利用の影響
メルカリJPの業績で今回の特筆点は不正利用の影響です。
メルカリによると不正利用の影響で営業利益率が4%低下したとあります。
4%とは、約10億円の損害が不正利用によって発生したということです。
不正利用とは
- 不正に入手したクレジットカード情報で商品を購入
- 電話番号認証などセキュリティの強化で対策
- 第四四半期にも同程度の費用が発生するが、2023年度には減少の見通し
メルペイの業績
今回の決算発表からメルペイの売上高が公表されるようになりました。

売上高は2020年第一四半期から順調に成長しています。
数字は公表されていませんが、今期から黒字化を達成したと記載があります。
Y2021.6より注力してきた与信事業を中心とした収益基盤の強化が奏功 し、3Qは調整前営業黒字となりました。
(決算説明資料より引用)
現在のサービス内容における恒常的な調整前営業黒 字を実現可能な収益基盤が確立したことにより、4Qも調整前営業黒字を見込み、初の通期調 整前営業黒字を予定しております。
この調子で成長が続けば、来期には会社全体の業績に貢献し始めると思われます。
メルカリUSの業績分析を解説

続いて2つ目のメイン事業、メルカリUSの業績を分析した結果を説明します。
売上高と営業利益の推移
まずは売上高と利益の推移です。

2020年第四四半期と比較すると売上高は26%は増加しています。
ですが2021年の第三四半期と比べると減少が見られます。
原因は2021年はコロナで在宅者が多く、急激に売上高が伸びたためです。
また営業利益が今回特に大きくマイナスしているのは、大規模な宣伝活動(約20億円)を実施したためとしています。
広告宣伝費の増加と認知度の上昇
大規模な宣伝活動とはTVコマーシャルなどブランド認知度を上げるキャンペーンです。

キャンペーンの結果、ブランド認知の上昇が達成できたと報告されています。
C2Cといえばメルカリというポジションの早急な確立を目指し、効果的なブランディング投資を実施していきたいと考えています。
結果的に、当社のブランド認知度が2Qから6ポイント上昇し、一部の同業他社を初めて上回 るなど、大きな成果が見られました。
(決算説明資料より引用)
アメリカの中古品市場の拡大
なぜ大きな費用を投じてまで認知度を上げようとしたかというと、アメリカの中古品市場の拡大に乗り遅れないためといえます。
アメリカの中古品市場の拡大は今後、年率10%を超える成長が予想されています。

ですがメルカリUSは日本市場と違って後発であり、会社も同業他社より小規模です。
今後この大きな市場でシェアを拡大するには、今は利益を追求する時期ではないのでしょう。
メルカリJPで上げた利益をすべて、メルカリUSに投入しているのも納得できると思います。
最後に
メルカリの株価が急落しているため、保有している投資家は決算で不安に感じている思います。
実際に赤字が拡大しているので株価には悪影響かもしれません。
ただし赤字の主な原因はアメリカでの広告費なので、業績の落ち込みではありません。
また株価がかなり下がったことで、すでに割高感はなくなりました。
メルカリJPの利益だけで計算しても、PERは17倍程度になっているからです。
メルカリPERについて(2022/4/30現在)
PER=株価÷1株当たり利益
=2210(円)÷{200(憶円)÷1億5780(万株)}
≒17
そして何より今後の株価の動向は、メルカリUSの成長が大きなキーになるでしょう。
アメリカの中古品市場でシェアが拡大すれば、企業価値は数倍から10倍以上に膨らむ可能性もあります。
※投資はあくまでも自己責任であり、株の購入は推奨いたしません
このブログではさらに詳しい投資に関する知見をこちらの記事でまとめています。
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一人でも多くの読者の方が、今日から豊かな人生設計を始めるきっかけになればと思っています。
良かったら気になる記事があれば、こちらから是非お読みください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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