年収500万円の平均的な住宅購入額は約3,600万円だそうです。(2013年リクルート住まいカンパニー調べ)
調査では頭金の平均は600万円なので、住宅ローンの平均額は約3,000万円になります。
そう考えると住宅ローンは3,500万円から4,000万円借りる人は平均より高額です。
これからは住宅ローン金利が上昇するとも言われていて、一般より高額のローンを組んでしまうと破綻する可能性が高くなります。
3,500万円や4,000万円の住宅ローンを組む前に、本当にリスクがないか確認することをおすすめします。
この記事ではリスクや適正な住宅ローンについて検証していきます。
プロローグ

結婚した友達の家を見てきたんだ。
広くて駅近でおしゃれなデザイナーズマンションだったよ。
羨ましいなー!

そうなんだ。
奥さん専業主婦で、子供が2人いるのに大丈夫かな?

5,000万円住宅ローン組んだんだって。
金利も低いし、住宅ローン控除があるから何とかなるでしょだって。
やっぱり長く住む家は妥協したくないよね。

うーん。
でも計画なしに借りるのは怖くないかな・・
返済できないと安く売却しないといけないよ?
この記事の内容を読むとこんなことが分かります。
- 年収500万円世帯の住宅ローン事情を解説します
- 年収500万円世帯が住宅ローン3,500万や4,000万円借りた場合をシミュレーションします
- 今後の住宅ローンに関わるリスクを解説します
- 年収500万円世帯が無理なく住宅ローンを返す方法をご提案します
著者について
- 年収500万円の会社員と専業主婦と小学生2人の4人で築20年中古マンションに暮らしです
- 住居は2,200万円の4LDK中古マンションをリフォームして快適に暮らしています
- 節約・副業・投資が趣味で、40歳で4,000万円をオーバーしました
・この記事を書いている私のプロフィールはこちらです。
- 節約と投資と副業が趣味の40代サラリーマン
- 仕事は原価計算などお金に関する仕事一筋
- 趣味が興じて簿記2級を独学で取得
- 4人家族で生活費は月27万円。資産は4千万
- 35歳でうつ病を経験し、会社に依存しない生き方に挑戦中
年収500万円の住宅ローン3500万や4000万円が危険な理由
年収500万円世帯の住宅ローン事情について、調べた結果をご説明します。
年収500万円で住宅ローンの平均は?
年収500万円世帯の、住宅ローンの平均借入額は以下の通りです。

この調査ではファミリー層とカップル層が全体の約8割を占めていて、住宅ローン借入額は約3,000万円になっています。
住宅ローンで3,500万円以上借りる世帯の割合は分かりませんが、割と高額な部類に入ると考えられます。
専有面積を見ると、ファミリー世帯がカップル世帯と広さがあまり変わらずに、やや手狭に感じられます。
多くのファミリー世帯は住宅ローンを抑えるために、専有面積を我慢しているのではないでしょうか。
住宅ローンが借りられる限度額
続いて住宅ローン借入額の限度について調べてみます。
「独立行政法人住宅金融支援機構フラット35」のホームページで、年収・返済期間・金利を入力すると借用可能額が分かります。
フラット35の借用額
- 年収:500万円
- 融資金利:1.69%(全期間固定)
- 返済期間:35年
融資金利は2022月3月現在の金利を使用しています。
シミュレーションの結果では、借用可能額は4,621万円となりました。
つまり年収500万円世帯なら3500万円や4,000万円程度は返済できると考えられています。
自己破産の原因
一方で厳しいデータもあります。
自己破産の原因を調べた調査結果によると約16%が住宅購入です。

原因の上位に入っている「保証債務」「事業資金」「病気・医療費」「失業・転職」「給料減少」については、ある意味トラブルで予期せぬ事態で破産したといえます。
ですが住宅購入は予期せぬトラブルではありません。
なぜなら毎月の返済額はずっと決まっているからです。
破産する人は住宅ローンを組んだ時に、返済計画が破綻していた可能性があるからです。
つまり自分の返済能力以上に住宅ローンを組むと、自己破産まっしぐらの可能性があるということです。
住宅ローン減税の改悪で厳しくなる
さらに今後住宅購入に関して、厳しい制度改定が行われます。
2022年から現在の住宅ローン減税制度が変更になります。
控除率が下がるので、利用者は減税幅が減って負担が大きくなります。
住宅ローン減税の変化点
- 控除率が1%から0.7%に引き下げ
- 2025年末までの入居が対象
- 控除期間が新築は10年から13年に延長
- マンションの床面積が50m2から40m2に引き下げ
- 年収3,000万円から2,000万円以下まで対象拡大
具体的に年収500万円の会社員が4,000万円借りた場合だと、控除率が0.3%減ると10年間で約14万円負担が増えます。
借入金4,000万円に対しては小さな差ですが、頭の中に入れておいたほうが良いでしょう。
年収500万円で3500万円、4000万円を借りるとどうなる
ではここから具体的に年収500万円世帯が、3,500万円から4,000万円の住宅ローンを借りた場合、返済計画や家計の負担をシミュレーションしていきます。
住宅ローンの返済額
フラット35を使って、返済額をシミュレーションします。
4000万円借りた場合は毎月13万円
資産条件は以下の通りです。
- 借入額:4,000万円
- 借入期間:35年
- 金利:1.69%(全期間固定)
- 返済タイプ:元利均等
- ボーナス返済:なし
- 団信:あり
住宅金融支援機構のシミュレーション結果は以下の通りです。
- 毎月の返済額:132,299円
- 返済総額:5,556万円(金利割合28%)

3500万円借りた場合は毎月11万円
同じように借入金を3,500万円で試算した時の結果は、以下の通りです。
- 毎月の返済額:115,762円
- 返済総額:4,861万円(金利割合28%)

収入に占める住宅ローンの割合
次に毎月の手取り収入に占める、住宅ローンの割合を計算します。
年収500万円世帯の手取り月収
- 手取り年収:400万円(社会保険70万円、税金30万円)
- 手取り月収:400万円÷12か月=33万3千円
続いて手取り月収に占める、住宅ローンの割合を計算すると以下の通りです。
- 借入金4,000万円の場合:39.6%
- 借入金3,500万円の場合:34.5%
この数字を見て高いか安いかイメージがわくでしょうか。
さらに分かりやすくするため、家計費全体のバランスをみていきましょう。
住宅ローンで家計がどうなるか
こちらはフィナンシャルプランナー監修による「理想の家計割合」をグラフにあらわしたものです。

住居費は全体の25%が理想となっています。
借入金を3,500万円や4,000万円借りるためには、35~40%を住居費に当てなければいけません。
そのためには10~15%分、住居費以外の出費を削る必要があります。
真っ先に削られそうなのが、「小遣い」と「貯蓄」ですよね。
ですが小遣いを削ると生活に潤いがなくなり、貯蓄をなくすと老後の備えや養育費の用意などができなくなります。
「そういった費用を削っても夢のマイホームを手に入れたい」という考える人もいると思いますし、それは個人の価値観になります。
そこまで納得した上で住居費をねん出するなら、割り切っていいと思います。
ですが住宅ローンで失敗すると取り返しがつかないので、リスクを一度考えてみませんか?
年収500万円で3500万円、4000万円を借りるリスク

仮に3,500万円や4,000万円借り当面の家計が何とかなったとしても、依然としてリスクがあります。
金利が上がる
固定金利で借りていれば問題はありませんが、金利の低い変動金利でローンを組むと、金利の上昇は家計に大きな負担になります。
長く低金利が続いている日本においても、2022年から雲行きが怪しくなっています。
銀行など金融機関が住宅ローンなどで貸し出すお金を調達する、日本国債の利回りが2021年の12月から上昇をしています。

アメリカや欧州で金融緩和を終了する動きがあり、それに連動して今後も上昇する可能性があります。
収入が下がる
年収500万円世帯の多くを占めるサラリーマンの年収は、長期的に下降傾向をたどっています。
そのうえ社会保険料や消費税などの税金、食料品の値上がりなどが起きています。
そうすると手取り収入が減って、住宅ローンの返済に影響が出てしまいます。

退職金が下がる、もらえない
住宅ローンを退職金で一括返済を計画していると、退職金が下がったり、もらえなかったりして計画が狂う可能性があります。
特にまだ20代、30代の若い世代では数十年先の退職金を当てにして、多額の住宅ローンを組むことは非常に危険です。

(出展:野村證券)
転居、離婚などで家に住めなくなる
会社員であればいつ転勤になるか分かりません。
また近年の日本の離婚率は3組に1組という、非常に高い水準です。
もし高い住宅ローンを組んだ家を、なくなく手放さなくてはいけなくなると、多くの場合は購入時より値下がりしていて、住宅ローンだけ残る可能性があります。
将来どうなるか予測することは難しいのですが、値下がりしずらく売りやすい住宅を購入しておくとリスクに対処しやすくなります。
年収500万円のマイホーム資金計画のたてかた
できる限り住宅ローンは安く抑える
前述したように、住宅ローンは一度借りると数十年間返し続けなければいけません。
例え仕事や生活環境が変わっても、常に返済は待ってくれません。
そのため1回のミスが人生計画を狂わせる危険があります。
もちろんどんな家に住みたいかは個人個人の価値観です。
しかしもし漠然とした理由で高額の住宅ローンを組むと、将来後悔するリスクを負ってしまいます。
ローンの返済ができずに、大切なマイホームを泣く泣く手放す決断をすることになるかもしれません。
それよりも住居費は抑えて、趣味などにお金を使って生活の満足度を上げた方が危険がありません。
なぜなら生活が苦しくなれば趣味を買えるなど対応が可能だからです。
住宅ローン比較サイトを利用する
住宅ローンをどの金融機関で組むかによって金利は大きく変わります。
そのため比較サイトを利用すれば、複数の金融機関から自分に合ったプランを選べます。
例えばモゲチェックはAI判定で、審査の合格率まで分かるので何回も審査待ちする必要がありません。
ライフプランシミュレーションを利用する
どのような家に住むのが良いか、ライフプランをもとに考えてみましょう。
ライフプランとは以下のような内容を考えて、お金の計画を見直すことです。
- 家族の人数
- 共働きか専業主婦か
- 仕事は定年まで働くのか
- 旅行や趣味はどのくらいお金を使いたいか
- 子供が大きくなったら高校や大学、就職はどうするか
これらをもとに人生にかかるお金を、シミュレーションしてくれるサイトを利用します。
大まかではありますが、自分の年収で購入できる住宅価格の目安が立てられます。

資産価値の落ちない不動産を選ぶ
期間とともに資産価値が下がる家を購入すると、万が一家を手放さなくなった時が大変です。
家を売っても住宅ローンだけが残り、新居の家賃と住宅ローンの返済がダブルで発生するからです。
資産価値が下がらない物件の特徴は以下の通りです。
- 人口減少が起きていない地域を選ぶ
- 駅や学校、病院などインフラが充実している
- ここ数年間で地価が下がっていない
- ハザードマップで地震・洪水・犯罪などのリスクが低い
- 耐用年数が長いマンションなど
ライフプランが固まらないうちは借家でいい
「まだそんなに人生計画なんてたてられない」と感じるのであれば、急いで住宅を購入する必要はありません。
住宅を買うと人生の選択肢が狭まるので、慎重に決断したほうがよいです。
例えば子供がまだいない夫婦が、2人で済むマンションを購入した後に子供ができると、買い直しや引っ越しで余計にコストや手間がかかってしまいます。
また反対に、大きな一戸建てを立てたけど子供に恵まれなかった夫婦の場合は、無駄に広い家を持て余したり、子供ができないことがプレッシャーになってしまいます。
最後に
ライフプランシミュレーションより正確に、自分がいくらなら住宅ローンを組めるかを把握するなら、家計簿をつける必要があります。
現在の食費、光熱費、通信費などの支出を明らかにして、住宅費にかけられるお金を正確に出せるからです。
我が家の家計管理はマネーフォワードとエクセルで、下記のように家計簿をつけています。

給与の20%を貯蓄や投資に回せるように、住宅ローンとマンションの管理費を抑えています。
我が家の住宅ローン
- 借入額:2,200万円
- 毎月返済額:55,000円
- 変動金利:0.7%
- 返済期間:35年
家計簿を使うとこのように、計画的な資金計画ができるようになります。
もし家計簿をつけていないのであれば、毎月5分で家計簿をつける方法をブログで紹介しています。
詳しい家計簿に関する知見をこちらの記事でまとめていますので、ぜひ気になる記事があればお読みください。
このブログでは節約・副業・投資に関する資産形成に役立つ情報を紹介しています。
一人でも多くの読者の方が、今日から豊かな人生設計を始めるきっかけになればと思っています。
良かったら気になる記事があれば、こちらから是非お読みください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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