多くの会社では入社するとすぐに保険の知識がないままに、生命保険や医療保険に加入手続きが行われます。
そして仕事や家庭のことなどで、そのままにしている人が多いと思います。
調査によると4人に3人が加入している医療保険ですが、しっかり理解するとやめたほうがいい理由が分かると思います。
プロローグ

会社の保険相談でがん特約つけたほうがいいって言われたよ。
もう40だから、入ったほうがいいのかな?

ふうん。
月千円なら大したことないから入ったら?

でも40代でがんになる人ってどれくらいいるんだろう?
あとがんになると治療費って高いのかな・・
千円が安いのか高いのかイマイチ分からないんだけど。
この記事の内容を読むとこんなことが分かります。
- 医療保険の基礎知識、種類、料金など解説します
- 医療保険がいらない・不要だという理由を解説します
- 医療保険にお金を払うより、私たちがとるべき行動について解説します
著者について
- 入社すぐに加入した医療保険で、気づかないうちに数十万円を無駄にしてしまいました
- 医療保険や無駄な出費を削って投資を開始、40歳で資産は4000万円オーバーしました
・この記事を書いている私のプロフィールはこちらです。
- 節約と投資と副業が趣味の40代サラリーマン
- 仕事は原価計算などお金に関する仕事一筋
- 趣味が興じて簿記2級を独学で取得
- 4人家族で生活費は月27万円。資産は4千万
- 35歳でうつ病を経験し、会社に依存しない生き方に挑戦中
医療保険はいらないからやめたほうがいい。損する理由しかない
医療保険がなぜいらないのか説明する前に、医療保険について解説していきます。
医療保険とは
医療保険は病気やけがで治療費がかかった時に、加入していると指定の保険金をもらえる仕組みです。
医療保険の起源は、イギリスの生命保険会社が300年以上昔に始めたギャンブルだそうです。
もともとは喫茶店に通っていたお客が、貿易船が無事に帰ってくるかかけ始めたのが、きっかけになり徐々に規模が大きくなっていったのが、生命保険や医療保険の起源です。
ロイズ社では現在この件について触れていないのは、もともとは金儲けのための賭博だったことを知られたくないからでしょうか。
医療保険の種類
医療保険には2種類があり、掛捨タイプと積立タイプです。
医療保険のタイプ
- 掛捨タイプ:掛け金は安いけど返ってこない
- 積立タイプ:掛け金が高く、所定の年数で返金されます
どちらがおすすめを調べると、以下のような説明をよく見かけます。
保険で将来の資産形成も一緒に行いたいなら積立タイプがおすすめで、手ごろな保険料で病気やけがに備えたい人は掛捨タイプがおすすめです。
これを読むと、「なるほど僕は○○タイプがいいかな」なんて感じてしまうかもしれません。
ですが、結論を申し上げますとどちらもおすすめしません。
医療保険に入っている人の割合
医療保険は不要だと知り合いに主張すると、必ず取っていいほど「何言ってるの?必要でしょ。」と言われます。
実際に医療保険に加入している人のほうが、一般的には大多数という結果が出ています。
インターネットリサーチを手掛けるマイボイスコムの「医療保険の加入」に関する調査では、実に4人に3人の人が加入している結果が出ています。

私のような意見を持っている人は、かなりの少数派だと分かります。
病気やけがでかかるお金は
では実際に病気やケガになったときに、いくらお金がかかるのかと聞かれると多くの人は答えられないと思います。
それって保険以外では普通こういうことはしないと思います。
例えば携帯電話を契約する時に、必要なデータ容量分だけのプランに入りますよね。
もし通話会社の人から「大容量プランに入らないと、あとで追加料金取られるかもしれませんよ。」と言われても、自分が使う分が分かっていれば「そんなに使わないよ」って断ると思います。
話がずれたので戻します。
結論を言うと、病気やケガでかかるお金は最大で月に約10万円です。
(詳しい理由は後から解説します)
では、10万円の医療費に備えるために私たちは保険会社にいくらお金を支払っているのでしょうか。
医療保険にかかる費用
メットライフ生命の医療保険を例に、どのくらいのお金を支払っているのか計算してみました。
メットライフ生命を選んだ理由は、掛捨てで入院1回につき一律30万円支給されるという分かりやすい保険だからです。

このデータを使って、私たちが22歳から59歳まで加入した場合の支払総額を調べてみました。

支払総額は男性で約180万、女性で約150万円という結果になりました。
つまり22歳から59歳の間に、15~18回入院する費用を支払っているということです。
明らかに払い過ぎじゃないでしょうか?
なぜ高額なのに医療保険に入るのか。やめたほうがいい理由を解説
経済的な面を見ると、明らかに損をする医療保険に、なぜ入っている人がこれほど多いのでしょうか。
安心はお金に換えられないから
保険会社のコマーシャルでがんが治った人が「医療保険に入っていてよかった」なんてシーンを見ないでしょうか?
これって「保険に入っていたことで、病気が治った」というイメージのすり替え効果を狙った戦略です。
つまり医療保険に入ると安心できるという勘違いを狙ったイメージ戦略といえます。
保険加入の有無にかかわらず、治療内容は変わらないので保険に入っていたかどうかは、病気が治ったことは無関係です。
2人に1人はがんになるから
医療費保険やがん保険でよく使われるフレーズに「がんは2人に1人がなる病気」というものがあります。
これを聞くと「自分もいつがんにかかるか分からない。保険に入っておいたほうが良いのでは?」と感じると思います。

確かに年を取れば多くの人ががんにかかる可能性は高いのですが、では医療保険に入っておいたほうが良いかは別問題です。
なぜならがんにかかっても医療費は約10万円なので、その分貯金しておけばいいわけです。

医療費がどれだけかかるか不安
実際に必要な医療費は月に10万円ほどですが、そのことを知っている人のほうが少ないと思います。
なぜ10万円ほど済むのかというと「高額医療費制度」があるからです。
高額医療費制度とは
- 病院や薬局などの合計医療費が、一定額を超えた分は保険から出る制度
- 一定額は年収で異なり、年収370万円から770万円なら約10万円
詳しくはソニー損保のホームページが分かりやすく解説していました。
例えば1か月に入院などで医療費が100万円かかると、窓口で支払うのは2割の20万円です。
そのうち10万円は高額医療費から支払われるので、本当に自分が支払うのは10万円です。
病気で働けなくなって収入がなくなって不安
毎月の上限金額が10万なのは理解したけど、働けない期間は収入がなくなるから心配。
こういう意見もあると思います。
私たちの社会保険には、この点についてもカバーされています。
もし病気などで働けなくなったら、傷病手当金が支払われます。
傷病手当金とは
- 平均収入の2/3を働けない期間(最大1年6か月)もらえる制度です
- 入院せずに在宅治療でも受領できます
積み立てだから損しない
掛捨タイプだと、病気にならなかったら保険料が返ってきません。
それだと損した気分になるので、積立タイプを選ぶ人がいます。
ですが保険会社で積立型の保険商品を購入することは、保険会社の高い手数料の投資信託を購入していることと同じです。
例えば第一生命の投資信託の手数料を調べると以下の通りです。
- 購入時手数料:3.3%
- 信託報酬(年間管理費):1.9%

SBI証券や楽天証券などで同様の商品をETFで購入した場合は、以下の通りです。
購入時手数料:0%~
信託報酬(年間管理費):0.03%~
投資は投資、保険は保険で分けて考えることが大切です。
不要な医療保険に入らないでやるべきこととは
それでは医療保険に入らずに、私たちがすべきことはどのようなことなのでしょうか。
生活防衛費をためておく
病気にかかる可能性の低い若いうちから、医療保険に払うお金を貯蓄に回しておきましょう。
そうすれば3,4年もすれば10万円になっています。
10万円がたまった後は、もしもの時に備える生活防衛費をためることをおすすめします。
生活防衛費は病気やケガで収入が長期間減ったり、突然出費が必要になった時に生活を守る貯金のことです。
ストレスをためない
悪いストレスと病気には密接な関係があります。
悪いストレスとは自らを追い込み、過剰に防衛反応を生み出すストレスのことです。
ストレスが引き起こす病気には身体的・精神的に様々なものがあります。

例えばお金が足りない悩みがある人が、高い保険料を払い続けていたら本末転倒ですよね。
運動や食事など生活習慣に注意する
病気にならない健康な生活のためには、適度な運動や栄養のある食事、十分な睡眠をとるなどの生活習慣が必要です。
先ほどの話と同じですが、高い保険料を払うために残業して、睡眠時間を削っていたら意味がありません。
夕食後は最低3時間を空けて寝ることが、睡眠の質を上げることが分かっていますので、長時間労働は健康を妨げて病気になる原因になります。
最後に
最後にこの記事をまとめます。
- 医療保険は4人に3人が加入していて、実に180万円ものコストが必要になります
- 実際にかかる医療費はひと月最大で10万円で、それ以上は保険から支払われます
- 医療保険はやめたほうがいい理由は以下の通りです
①保険に入ったから病気が治るわけではない
②がんになっても高額の医療費はかからない
③高額医療費制度で支払額に制限がある
④働けない期間は傷病手当金がもらえる
⑤積立タイプはコストの高い投資信託 - 医療保険をやめて私たちがするべきことは
①生活防衛費をためる
②ストレスをためない
③運動や食事、睡眠に気を付ける
ここまで日本は健康保険が手厚いから、医療保険が不要だという理由を解説してきました。
例えばアメリカは日本のように健康保険がないため、医療費は風邪で通院すると自己負担で2万円程度の治療費を取られるそうです。
その他にも以下の通り、驚くような高額な医療費がかかるそうです。
- 救急車1回:15万円
- 虫歯治療:3万円から10万円
- CTスキャン1回:4万円から10万円
- 虫垂炎:100万円
こんな国なら年間10万円の医療費保険でも、喜んで加入するほうが良いです。
その点、日本は世界最強の健康保険がある国で、せっかく毎月高額の社会保険料を払っています。
この記事をきっかけに是非一度、保険の入り方を考えてみてはいかがでしょうか?
さらに詳しい節約に関する知見をこちらの記事でまとめています。
このブログでは節約・副業・投資に関する資産形成に役立つ情報を紹介しています。
一人でも多くの読者の方が、今日から豊かな人生設計を始めるきっかけになればと思っています。
良かったら気になる記事があれば、こちらから是非お読みください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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