近年、環境問題や社会の多様化など持続可能型社会(SDGs)に取り組む企業や団体が増えてきました。
ESG投資はそんな循環型社会の発展を担う企業に投資する新しい投資方法です。
自分が投資したお金が、環境問題や医療の充実、貧困問題などの社会問題の解決に繋がる可能性があります。
ここ最近では社会貢献の面に加えて利回りの高さにも注目が集まってきています。
この記事の内容を読むとこんなことが分かります。
- 近年投資家の間で注目されているESG投資の考え方や現状を解説します
- S&P500を構成する企業でESG関連に投資できるETFを紹介します
- S&P500 ESG ETFの基本情報や構成銘柄など紹介を解説します
- S&P500 ESG ETFに投資するメリット・デメリットを解説します
著者について
- 米国や世界株に関するETFを幅広く投資、ESG関連企業にも投資しています
- 日本株や外国株、REITなど投資歴は15年以上あります
- 節約、副業で貯めた資金をコツコツ投資、40歳で資産は4000万円をオーバーしました
・この記事を書いている私のプロフィールはこちらです。
- 節約と投資と副業が趣味の40代サラリーマン
- 仕事は原価計算などお金に関する仕事一筋
- 趣味が興じて簿記2級を独学で取得
- 4人家族で生活費は月27万円。資産は4千万
- 35歳でうつ病を経験し、会社に依存しない生き方に挑戦中
S&P500ESG(2635)ETFが上昇中。投資はおすすめか

ESG投資は近年、投資の世界で注目され始めた投資方法です。
投資と社会貢献を両立させて、循環型社会システムの発展に長期投資的に取り組む方法です。
ESG投資とは
ESG投資はSDGs(持続可能型社会の開発目標)に貢献する企業に投資する方法です。
「ESG」とは環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance、以下ガバナンス)の頭文字を取ったものです。
現代社会が環境・社会・企業統治に関する下記のような問題に取り組む企業に積極的に投資をして、社会貢献と投資を両立させようという投資方法です。

ESG投資が広まっている
以前は社会貢献に積極的な企業は収益が伴わないというイメージがありました。
ですが10年以上前から国内外の機関投資家が注目を集め、環境・社会問題に取り組む企業に投資すると、高い投資利回りが得られるという考え方が主流になっています。(「ニュー資本主義」)
コロナ以降にさらに環境問題・生態系の維持などが着目されたことで、環境意識の高い個人投資家にもESG投資が注目されるようになりました。
ESG投資の時価総額は2020年12月末には1,870億ドル(約20兆円)にも達しています。

ESG投資の種類
ESG投資には以下の二種類があります。
- 投資信託やETF
- 個別銘柄投資
投資信託やETFであれば気軽に小額から分散投資が可能です。
その分年率で0.1%~0.2%程度の信託報酬がかかります。
一方で個別銘柄投資の場合は信託報酬がかかりません。
ですが分散投資するには、それぞれの企業株を100株単位などで購入するために、大きな資金が必要になります。
また日本株と外国株いずれでもESG投資は可能ですが、長期投資で考えるなら今後の安定した成長が望める外国株がおすすめです。
そこで次の章からS&P500の中でESG投資に関わる企業を集めたETFをご紹介していきます。
米国株S&P500 ESG ETF(2635)とは

ここで「S&P500 ESG ETF」の2022年2月現在の基本情報などを紹介します。
最新数値は公式HPでご確認ください。
S&P500 ESG ETFの基本情報
「S&P500 ESG ETF」は⽇本円換算した S&P 500 ESG 指数に連動を目標にしています。
構成銘柄の選定基準にESGの考え方を用いて、S&P 500と同等のパフォーマンスを目標にしています。
そのため業種配分はS&P500と同等を維持した株価指数です。
基本的な情報は以下の通りです。

東京証券取引所に上場しているため、普通の株と同様に購入することができます。
S&P500 ESG ETFの構成業種
「S&P500 ESG ETF」の構成業種は以下の通りです。

米国の主要産業であるソフトウェアやコンピュータ関連が上位に入っていますが、それ以外の産業にも幅広く分散されています。
S&P500 ESG ETFの構成銘柄
続いて具体的な構成企業を見ていきます。
こちらが構成銘柄の上位10社のリストです。

アップル、マイクロソフト、アマゾン、グーグル、テスラモーターズなど日本でもよく知られ企業が見られます。
IT化やデジタル化が進む社会に大きく貢献する企業であり、循環型社会構築への貢献も認められているようです。
S&P500 ESG ETFの利回り
次に2012年からの利回りを確認します。

2012年以降の利回りは2015年と2018年を除くと、プラスの利回りになっています。
平均すると約15%のプラスリターンとなっています。
S&P500 ESG ETFとS&P500の比較
では通常のS&P500と比較すると、投資の利回りにどのくらい違いがあるのでしょうか。
21年から約1年間のチャートを確認します。
青色の折れ線がESG ETFで、ピンクの折れ線が通常のS&P500のETFです。

結果は2021年10月以降の違いが顕著で、ESG ETFの上昇が大きくなっています。
S&P500 ESG ETFに投資するメリット

それではS&P500 ESG ETFに投資するメリットを解説していきます。
S&P500より高い利回り
S&P500 ESG ETFがS&P500より高い利回りを出していることは前述したとおりです。
今後も同じ傾向が続くかどうかは分かりませんが、循環型社会の発展に貢献する企業がより高い成長をしていくのは自然の流れと考えても良いと思います。
現在の株式市場は全体的に割高な曲面なので、ESG企業の株価も調整で下がる可能性はありますが、社会が必要とする企業の株価がより早く上昇トレンドに復帰すると考えられます。
社会貢献する企業に投資できる
いくら資産が増えるからといって、以下のような企業の発展に貢献はしたくないですよね。
- 公害を引き起こす危険な薬物を使用している企業
- 麻薬産業や軍事産業など人命や戦争に関わる企業
- 人権侵害を行う企業
- 環境破壊につながる製品を作っている企業
ESG投資は資産形成を目指すのと同時に、社会の発展に貢献できます。
自分の子供や孫が暮らす社会が、今より平和で幸福にあふれる社会になってほしいですよね。
ESG評価機関が選定
ESG企業に該当するかどうかを判別するのは、個人投資家では難しい面があります。
例えばトヨタ自動車は水素自動車や電気自動車の開発・製造しているのでESG銘柄にも見えますが、それ以上にガソリン車の製造・販売をしているメーカーでもあります。
このように判断が分かれる場合があります。
一方でETFを利用するとESG評価機関が細かくレーティングをして評価しています。
不祥事を起こした企業の株は売却されて、新たに条件を満たす希望の株と入れ替えられます。
S&P500 ESG ETFに投資するデメリット

続いてS&P500 ESG ETFに投資するデメリットをご紹介していきます。
組み入れ上位銘柄の株価が割高
前述した構成銘柄をご覧いただくと分かりますが、アップルやアマゾン、グーグルやテスラモーターズなど時価総額ランキングで世界の上位に入る銘柄が多く含まれています。
それだけ社会的な評価が高いということですが、株価的には割高という見方もできます。
そのため株価が大きく調整されれば、S&P500 ESG ETFも影響を受ける可能性があります。
信託報酬が高い
S&P500 ESG ETFは通常のS&P500に関するETFより信託報酬が高くなっています。
理由は銘柄選定にかかるコストが高くなることだと考えられます。
- S&P500 ESG ETF:0.14%
- S&P500 ETF(VOO):0.03%
信託報酬の差以上に、ESG投資にメリットがあるかどうか検討が必要です。
投資でつながる。日本初のソーシャルトレーディング【アイデアブック】
最後に
最後にこの記事をまとめます。
- ESG投資は持続可能社会に貢献する企業を選択して投資する方法です
- 機関投資家に限らず、意識の高い個人投資家でも広がってきています
- ESG投資は個別株投資と投資信託・ETF投資があります
①個別株:管理コストはないが、銘柄選択に手間がかかり大きな資金が必要
②投資信託・ETF:小額で分散投資できるが、信託報酬がかかる - S&P500のESG銘柄に分散投資できるのが「S&P500 ESG ETF」です
- アップルやマイクロソフト、グーグルなど世界的企業が構成銘柄上位
- 通常のS&P500より高い利回り
コロナ以降、持続可能な社会のために生態系の多様化や環境問題が取り上げられて、さらに循環型社会の構築が叫ばれるようになりました。
ESG投資はそういった社会の流れの中で、今後も拡大を続けていく可能性が高いと考えます。
そのためこれからのインデックス投資は、ただS&P500やTOPIXのように指数に投資するだけでなく、テーマ別のファンドに注目をすると良いかもしれません。
例えばコロナ社会で注目を集める医療関係、水資源の枯渇に貢献する水関係、電気自動車の普及に必要なリチウム電池関係などです。
別記事で紹介しているので、良かったらお読みください。
参考文献
- PRESIDENT(2021年3月26日発行)「社会を良くする投資」ESG入門
- ESG投資新しい資本主義の形(2017年)日本経済新聞社
さらに詳しい投資に関する知見をこちらの記事でまとめています。
このブログでは節約・副業・投資に関する資産形成に役立つ情報を紹介しています。
一人でも多くの読者の方が、今日から豊かな人生設計を始めるきっかけになればと思っています。
良かったら気になる記事があれば、こちらから是非お読みください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
※関連記事です
←この記事がお役に立ちましたらクリックしていただけると励みになります
人気ブログランキング
←この記事がお役に立ちましたらクリックしていただけると励みになります
にほんブログ村
コメント