メルカリの株価は2021年11月に最高値7,390円を更新して以降、右肩下がりに下落しています。
メルカリの決心短信が2月3日に発表された翌日には、約10%の株価下落を起こしました。
2018年に上場したときの株価5,000円を大きく割り込む状況です。
ここまで大きく売られた原因は何なのか、これからの展望はどうなるのか解説しています。
この記事の内容を読むとこんなことが分かります。
- メルカリの株価急落の原因を追究、解説しています
- メルカリの2022年第二四半期の決算説明書を詳細に調査しました
- メルカリの将来性について、市場の動向をもとにまとめました
著者について
- メルカリ株価の将来性に期待して、2021年春に投資を開始しました
- 普段からメルカリやラクマを利用しており、年間100件以上の売買をしていいます
- 節約、副業で貯めた資金をコツコツ投資、40歳で資産は4000万円オーバーしました
・この記事を書いている私のプロフィールはこちらです。
- 節約と投資と副業が趣味の40代サラリーマン
- 仕事は原価計算などお金に関する仕事一筋
- 趣味が興じて簿記2級を独学で取得
- 4人家族で生活費は月27万円。資産は4千万
- 35歳でうつ病を経験し、会社に依存しない生き方に挑戦中
メルカリの株価はなぜ下がるのか?今後どうなる?将来性は大丈夫か

メルカリの株価の現状と、株価が下がる原因を検討していきます。
メルカリの株価は下がっている
まずはチャートで株価の推移を確認します。
2021年9月から2022年3月現在までのチャートは以下の通りです。

冒頭で述べたように、2021年11月の最高値から半値以下まで落ち込んでいます。
11月は2022年期第一四半期の決算報告が行われた時期ですので、このイベントがきっかけでチャートの傾向が変わったと考えられます。
なぜ株価が下がるのか。考えられる原因
メルカリの株価が下がる原因を考えられる範囲で挙げていきます。
株価が過熱し過ぎたから株価が下がる
2021年11月にピークを迎えるまで、株価は順調な推移を続けていました。
- 2020年3月の最安値:1557円
- 2021年11月の最高値:7390円
約1年半の間に株価は5倍近い値上がりをおり、成長への期待の高さが現れていました。
株価が割高だから株価が下がる
メルカリのPER(株価収益率)は日経平均と比べると、かなり割高です。
2021年の1株当たりの純利益が36.43円なので、2021年11月時点のPERは以下の通りです。

(計算式)PER=7,390(円/株)÷36.43(円/株)≒202
日経平均のPERは約18倍なので、相場と比べていかに割高だったかが分かります。
赤字に転落したから株価が下がる
メルカリは2021年期で初の黒字化を達成しました。
そのため多くの投資家は、これまで撒いてきた種が花を開いて、これから豊かな収穫時期に入ったのだと思いました。
それが2022年第一四半期の決算で再び赤字に転落したことで、失望する投資家が現れて株を手放したと考えられます。
将来性に陰りがあるから株価が下がる
メルカリの一番の魅力は高い成長率です。
もし成長率が鈍化した場合には、多くの投資家が失望売りをするでしょう。
実際に2022年に入ってメルカリの成長力が衰えたのか、最新の決算報告書をもとに後ろの章で解説します。
財務状況の悪化で株価が下がる
もしメルカリの財務状況が悪化して、借入金が増えて、金融資産が減っていれば投資家から敬遠されます。
会社が倒産すれば、株価は限りなく0円に近づくからです。
危険な予兆が起きていないか、後ろの章で解説します。
メルカリの2022年第二四半期決算内容で将来性を紐解く

メルカリは大きく分けて日本国内の事業「メルカリJP」と米国事業「メルカリUS」で構成されています。
※最新決算(2022年第三四半期)の情報はこちらで解説しています。
売上・利益率の推移
メルカリJPの売上・営業利益
2020年の第一四半期から、四半期ごとの売上と営業利益をまとめたグラフを紹介します。
青い棒グラフが売上、赤い棒グラフが営業利益です。

2022年第二四半期の売上は前年比約14%の伸びですが、営業利益は前年比約10%下がっています。
営業利益が減少した主な理由は、広告費を15億円増額してキャンペーンなど展開したことが原因です。
ユーザーの増加に繋がっていれば、将来への投資になるので問題ないといえます。
メルカリUSの売上・営業利益
メルカリUSはデータが2020年第四四半期からしかありませんでした。
同じく四半期ごとの売上と営業利益をまとめてグラフを作成しました。

2022年第二四半期の売上は前年比20%増額、営業損失は2.5倍に増額しています。
営業利益が下がった原因は、決算資料にはデータがありませんでしたが、決算短信の文面の中で推測することができます。
当社グループはミッションの達成に向け、メルカリJP・メルペイ・メルカリUSの三本柱の継続的な成長・強化とともに、ソウゾウ、メルコイン、グローバルなど国内外の新たな領域の開拓を推進し、グループの更なる成長機会の創出に注力していく方針です。
安定した収益基盤であるメルカリJPに比べ、メルカリUSやメルペイ、その他の新規事業は投資フェーズにあります。これらの戦略的な投資を機動的に行うことにより、連結業績を見通すことが困
難であるため、業績予想の公表を控えております。
(参照:メルカリ2022年6月期第二四半期決算短信「1.(4)連結業績予想」から抜粋)
つまりメルカリUSはまだ収益化を目指していないということです。
今回赤字に転落したことは、事業に問題があったというより、投資を優先していると考えられます。
取引額・利用者の推移から見るメルカリの将来性
営業利益では事業の将来性が分かりづらいため、よりハッキリした指標で確認します。
メルカリJPの取引額、利用者数
メルカリJPの取引額と利用者数のデータを、決算説明資料から抜粋します。
下記のグラフは四半期ごとの取引額と、ユーザー数を表しています。

2022年第二四半期は取引額+15%、利用者数+13%と過去最高を更新しています。
ただしメルカリが期初に目標とした取引額の増加目標値+20%には届いていません。
メルカリUSの取引額、利用者数
メルカリUSの取引額と利用者数の推移は以下の通りです。

2022年第二四半期は取引額+21%、利用者数+17%と前年比で増加しています。
コロナウイルスの影響で、前年が急増したことから今回の伸びが小さく見えますが、基本的な成長は継続しています。
財務状況
今回の決算短信で財務状況の悪化が起きていないか、流動負債と流動資産をの変化を確認します。
2021年第二四半期と2022年第二四半期で、違いをグラフにした結果がこちらのグラフです。
- 青いグラフ:流動負債(短期的に返済が必要な借金)
- オレンジのグラフ:流動資産-流動負債(短期的に入るお金から借金を引いたお金)

2021年に比べて2022年は、約400億円ほど流動資産が増えています。
原因は長期の社債で資金を調達したことですが、短期的な借金では無いので危険性はありません。
メルカリの将来性

それでは最後にメルカリの将来性などから、今後の投資判断を考えていきます。
メルカリJPの将来性
メルカリJPの取引額、ユーザー数は順調に伸びています。
営業利益率が下がっていることは気になりますが、増加している主な理由が広告費なので、今後の売り上げへの投資と考えることができます。
国内のメルカリは今後どうなるかを予測するために、リユース市場規模の今後の予測を紹介します。

この予測によれば2025年には、2020年比で約1.5倍に拡大しているので、メルカリが現在のシェアを落とさなければ、1.5倍の売り上げに成長することが見込めます。
メルペイ事業の将来性
メルカリの3つ目の柱に成長しているメルペイは、「定額払い」の債券残高が350億円を突破しました。
EC決済サービスの市場は今後も、拡大し続けることが予想されていて、メルペイの成長が期待できます。
以下のグラフは株式会社矢野経済研究所が発表した、今後のEC市場内の後払い決済サービスの取り扱い予測額です。

レポートの中でEC決済サービス市場は今後も堅調に拡大すると結論づけています。
メルカリUSの将来性
米国の中古品売買市場は2015年から2020年にかけて、規模が約2倍にまで拡大しています。

今後の予想では2030年には、2020年の約3.5倍まで市場の拡大が期待されています。
円換算すると約22兆円ですから、日本の約6倍という巨大な市場です。
この中でいかにシェアを伸ばせるか、今は目先の利益より投資が必要という会社の判断は正しいのではないでしょうか。
最後に
最後にこの記事をまとめます。
- メルカリの株価が下落した原因は、2022年に赤字に転落するなど投資家の失望が原因です
- メルカリの売上は国内、米国共に順調に伸びていますが、利益率は下がっています
- コストの増大は広告費など、投資目的が主な理由です
- 今後のリユース市場は国内、米国ともに拡大が予想されています
- メルペイが扱うEC市場の後払い決済も取引額の増大が予想されています
メルカリの最新決算資料から、株価の下落の背景や、今後の将来性などを解説してきました。
急落前の株価は市場の相場から見てかなり割高で、決算をきっかけに下降トレンドに転換したと考えられます。
ですがメルカリ自体の事業には大きなトラブルはなく、今後も市場の拡大に伴って成長が期待できます。
好決算が出たタイミングで再び上昇トレンドに反転するのではないでしょうか。
※投資はあくまで自己判断で行うもので、投資を推奨するものではありません。
さらに詳しい投資に関する知見をこちらの記事でまとめています。
このブログでは節約・副業・投資に関する資産形成に役立つ情報を紹介しています。
一人でも多くの読者の方が、今日から豊かな人生設計を始めるきっかけになればと思っています。
良かったら気になる記事があれば、こちらから是非お読みください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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