「『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバートキヨサキのように、アメリカの不動産で財産を築きたい」
「これから人口が増える東南アジアで不動産投資したい」
と考えても、なかなか現地の不動産を購入して管理するのは難しいですよね。
海外の不動産に小額から投資できる「海外REIT」なら、証券会社で購入できて、不動産の値上がりや賃貸収入を得ることができます。
ですが実態を知らずに投資すると、意外な落とし穴があるので注意が必要です。
プロローグ

アメリカの不動産が好調みたいだよ。
やっぱり不動産の本場は海外だよね。
REITで投資してみようかな。

この前、日本のREITはやめたって言って全部売ったのに?
何か違うのかな・・

いやさ、響きがいいじゃん!
中身は良く知らないけど・・
この記事の内容を読むとこんなことが分かります。
- 海外REITについて種類や特徴など、分かりやすく解説します
- 海外REITの動向やチャートを解説します
- 海外REITの注意点やリスクを解説します
- 海外REITの購入方法をご紹介します
著者について
- 株式投資経験は15年以上、個別株・投資信託・ETF・Jリートの取引履歴が多数あります
- 不動産投資信託の運用歴が2年以上
- 節約、副業で貯めた資金をコツコツ投資、40歳で資産は4000万円オーバーしました
・この記事を書いている私のプロフィールはこちらです。
- 節約と投資と副業が趣味の40代サラリーマン
- 仕事は原価計算などお金に関する仕事一筋
- 趣味が興じて簿記2級を独学で取得
- 4人家族で生活費は月27万円。資産は4千万
- 35歳でうつ病を経験し、会社に依存しない生き方に挑戦中
海外REIT投資はおすすめしない。今後の動向とチャートで解説

REITとは不動産投資信託のことです。
複数の投資家から資金を集めて、不動産を購入して家賃収入などを分配する仕組みです。
海外REITとは
REITとは元々アメリカで発症した金融商品で、「Real Estate Investment Trust」と呼ばれ、それぞれの頭文字をとって「REIT」と略されています。
通常だと数千万円や数億円する不動産物件に、小額で投資ができるので個人投資家に人気があります。
日本でも「JREIT」という名称で取り扱われていて、多くの投資信託が作られています。
海外REITは、アメリカやオーストラリア、欧州、アジアなど、世界中の不動産に分散投資ができる特徴があります。
続いて海外REITの種類を解説します。
市場規模や内訳
海外REITの市場規模は約189兆円あり、その規模は年々拡大しています。
各地域ごとの割合は以下の通りです。

最も多いのが北米・中南米で、アメリカだけで127兆円の規模があります。
国別で上位の時価総額を見ると以下のようになります。

このように海外REITの多くを占めているのが、「先進国REIT」です。
先進国REITとは
特徴
先進国のREITはアメリカ、オーストラリア、イギリス、シンガポールなどがメインの投資対象です。
主な先進国の不動産の特徴
- アメリカ
データセンターや基地局などのインフラが好調
今後も5G通信や自動運転技術の拡大で、インフラ設置の需要が望める - オーストラリア
商業施設の割合が高く景気に敏感
年金基金の運用先として規模が拡大してきた背景がある - イギリス
欧州最大規模のREITで、オフィスや商業施設の割合が高い
ロンドンなどのオフィスビルなど、長期契約で安定した賃料が見込める物件が多い
チャート
先進国REIT『eMAXIS 先進国リートインデックス』の直近1年間のチャートは以下の通りです。

2021年1月からの沸騰率は約36%となっており、コロナショックが起きた2020年以降は順調な推移をしています。
新興国REITとは
特徴
新興国REITの主な投資先は南アフリカ、メキシコ、東南アジア(タイ、マレーシアなど)、インドなどです。
主な新興国不動産の特徴
- 歴史が浅く、時価総額・銘柄数が不足している
- 人口増加で長期的な不動産価値の上昇が期待できる
- 新興国特有の政策変更リスクがある
- 賃貸市場が未成熟なので、安定感は低い
チャート
新興国REIT『eMAXIS 新興国リートインデックス』の直近1年間のチャートは以下の通りです。

2021年1月からの沸騰率は約22%となっており、2021年7月からは横ばいの傾向が続いています。
海外REITとはJREITの違い

続いて海外REITの特徴を、JREITと比較しながら具体的に紹介していきます。
世界人口は増加している
日本では少子高齢化の問題が取り上げられていますが、世界の人口は今後も増加が続く予定です。

2021年時点で、約75億人の世界人口は2050年の予測で、約100億人となっています。
おもにアジア、アフリカの新興国で人口増加が予測されていて、不動産開発や価値の上昇などが期待できます。
幅広いセクターに投資できる
JREITの投資物件は、法律で規定されていますが、海外REITには規定がありません。
そのためインフラ設備や、森林なども投資対象にされていたり、アメリカでは刑務所が投資対象にされています。
より自由度の高い投資先を選ぶことが可能です。
取引が外貨建て
海外REITの多くは現地通貨で運用されているので、円との為替相場によって、投資で得られる収益に影響があります。
例えば新興国REIT『eMAXIS 新興国リートインデックス』 では、以下のように様々な通貨で運用されています。

特に新興国通貨は、市場規模が小さかったり、急な政策変更や災害などで為替が急変する可能性が高い特徴があります。
キャピタルゲインを狙える
JREITの主な収益源は、投資物件からの賃貸収入です。
海外REITの場合、不動産開発で得た収益や、不動産価格の上昇によるキャピタルゲインの割合が高い特徴があります。
そのためJREITより高い分配金利回りがもらえる場合があります。
主要REITの分配金(2019年時点)
- アメリカ:4%
- 日本:3.7%
- オーストラリア:4.6%
- イギリス:4.3%
海外REITの動向とおすすめしない理由とは

海外REITの今後の見通し
2022年に入ってから海外REIT指数は低下を続けています。
理由はREITの最大市場であるアメリカの金融引き締め政策で、金利が上昇することが予想されているからです。
金利が上昇すると、市場に流通するお金が減るので、不動産に流れる資金も減少します。
その他にはオミクロン株の感染拡大が、今後どのように納まるのかが注目されています。
オミクロン株の感染拡大が落ち着かない場合、ホテルや商業施設など特定のセクターでは、特に収益が落ち込み、景気に悪影響を及ぼします。
おすすめしない理由とは
ここからは海外REITのデメリット・注意点・リスクなどをご説明します。
値動きが激しい
不動産投資と違って、REIT(不動産投資信託)は値動きが激しいです。
不動産投資をイメージより、値動きは株と同じだと考えたほうが良いです。
コロナショックでは指数が半分以下に落ち込んでいますのでリスク管理が重要です。。
株と不動産は分散メリットが無い
REITを株式に分散投資をして、暴落時のリスク対策に考えるとメリットが期待できません。
例えばコロナショックの時のREITと株の値動きを見ると、ほぼ同一の動きをしているからです。
以下のグラフは『iシェアーズ 米国リート ETF』(1659)と、米国株式指数S&P500のチャートの比較です。

コロナショックが起きたグラフ中央で、どちらも同じように暴落しています。
管理費が高い
REITの管理費(信託報酬)は、その他の金融資産と比較すると、管理費が高くなっています。
各商品の信託報酬
- REIT:0.22%~0.6%程度
- JREIT:0.18%~0.44%程度
- 日本株:0.14%~0.44%程度
- 先進国株:0.1~0.6%程度
それと比較して利回りが高いかというと、決してそうはなっていません。
先ほどと同じく、REIT指数とS&P500のチャートを長期間(2017~2021)で比較してみた結果がこちらです。

S&P500が約80%値上がりしているのに対して、REIT指数は+40%に満たない結果です。
情報収集が難しい
海外の不動産に投資をしていても、現地の状況やニュースはタイムリーに入手することが困難です。
外国語に精通していれば、現地のサイトで直接情報を見ることができますが、そうでない人は特に苦労します。
カントリーリスクがある
日本は世界的に見ても、政治的なリスクが比較的低い国です。
海外REITを購入した場合は、日本よりリスクの高い国の不動産が含まれている可能性があります。
ロシアとウクライナで紛争が起きたり、中国と台湾の外交問題など今後も世界を取り巻く状況は、決して油断ができません。
海外REITの買い方

最後に海外REITへの投資方法をご紹介します。
投資信託で購入する
証券会社や銀行などで売っている投資信託があります。
手数料の安いネット型証券会社で、「楽天証券」や「SBI証券」が種類を取り揃えていておすすめです。

楽天証券の申込や利用方法はこちらの記事を参考にしてください。
ETFの買い方
その他にはETFを通じて買う方法があります。
投資信託と違って証券取引所に上場しているので、株と同じように売買が可能です。
手数料や信託報酬が安いメリットがありますが、種類は限られています。

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最後に
最後にこの記事をまとめます。
- 海外REITはアメリカやオーストラリア、イギリスなど世界中の不動産に小額から投資ができます
- 海外REITは世界で190兆円の規模があり、先進国REITと新興国REITがあります
- 先進国REITは主にアメリカで、情報化社会の発展でインフラ設備が好調です
- 新興国REITは歴史が浅く安定性がありませんが、今後の人口増加が期待できます
- 海外REITは今後、アメリカの利上げやオミクロン株の拡大が重要なテーマです
- 海外REITの注意点やリスクは以下のおとりです
①値動きが激しい
②株と動きが似ている
③管理費が高い
④情報収集が難しい
⑤カントリーリスクがある
REITは不動産投資信託といっても、性質は株式投資に近いものがあります。
値動きが激しく、タイミングも株と同様のタイミングで上下することが多いので、分散投資という意味では株と同時に保有するのはリスクがあります。
株と分散投資でリスクを減らすなら、債券投資という方法があります。
ただしこちらもアメリカの利上げの動向次第で、値が大きく動く可能性があるので、注意が必要です。
このブログでは、さらに詳しい投資に関する知見をこちらの記事でまとめています。
このブログでは節約・副業・投資に関する資産形成に役立つ情報を紹介しています。
一人でも多くの読者の方が、今日から豊かな人生設計を始めるきっかけになればと思っています。
良かったら気になる記事があれば、こちらから是非お読みください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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