住宅ローンを組むと「銀行への利息を払うのがもったいない」「多額の借金があるのが気持ち悪い」という感情がわくかもしれません。
そのため早く返してしまった方が得、スッキリすると思うかもしれません。
ですが実際に繰り上げ返済した人の多くは、失敗したと後悔している人が多くいます。
その理由はいったいどういうことでしょうか?
プロローグ

隣の○○さんち、もう住宅ローン完済しちゃったんだって。
うちより後に購入したのに、凄いね!

えっ、そうなの。
確かにすごいけど、もったいないと思うよ。

もったいないって何が?
利子払わない方がいいんじゃないの?

それはそうなんだけど。
住宅ローンは繰り上げ返済しない方がいいよ。
この記事の内容を読むとこんなことが分かります。
- 住宅ローンや繰り上げ返済の仕組みを解説します
- 繰り上げ返済をしない方がいい理由を6つ紹介します
- 繰り上げ返済した方がいいケースを解説します
- 繰り上げ返済よりおすすめの投資方法を紹介します
著者について
- 2010年に中古マンションをローンで購入、初期に繰り上げ返済で失敗した経験あり
- 現在は繰り上げ返済から長期投資に切り替えて資産運用中
- 節約、副業で貯めた資金をコツコツ投資、40歳で資産は4000万円オーバーしました
・この記事を書いている私のプロフィールはこちらです。
- 節約と投資と副業が趣味の40代サラリーマン
- 仕事は原価計算などお金に関する仕事一筋
- 趣味が興じて簿記2級を独学で取得
- 4人家族で生活費は月27万円。資産は4千万
- 35歳でうつ病を経験し、会社に依存しない生き方に挑戦中
住宅ローンの繰り上げ返済をしない方がいい理由と取るべき行動

住宅ローンの繰り上げ返済について、まずは基本的な仕組みを解説していきます。
住宅ローンとは
住宅ローンとは簡単に言うと、住宅を買ったり改築したりするために、銀行などから借りるお金のことです。
住宅ローンには2種類あり、「固定金利」と「変動金利」です。
固定金利は返済完了までずっと同じ金利を払う制度で、変動金利は金利が市場の動向で変化していく制度です。
固定金利の方が返済額が変わらないメリットがありますが、最初の金利設定が高くなっています。
住宅ローンの返済方法
住宅ローンの返済方法には2種類あります。
①元利均等返済
毎月の返済額を均等で資金計画が立てやすいメリットがあります。

②元金均等返済
元金を均等に返済していく方法です。
最初に返済する元金が多いので、利息の支払いが減ってトータルの支払いが少なくなります。

繰り上げ返済とは
繰り上げ返済とは、毎月の返済額とは別にローンの返済を行うことです。
繰り上げ返済には2つの種類があります。
- 繰り上げ返済した分、返済期間が短縮する方法
- 繰り上げ返済した分、毎月の返済額が減る方法
繰り上げ返済のメリット
繰り上げ返済したときのメリットは、返済総額が減ることです。
繰り上げ返済した元本にかかっていた利息を返さなくてよくなるからです。
例えば借入金が3,000万円で利息が1%、返済期間が35年とすると返済する利息は約550万円です。
仮にもし繰り上げ返済を借入から1年後に100万円行うと、返済する利子は約520万円に減少します。
つまり、100万円の繰り上げ返済によって30万円返済額が減ったことになります。

この結果を見ると、繰り上げ返済をしたほうが良いと思うかもしれません。
繰り上げ返済をおすすめしない6つの理由

それでは記事の本題「なぜ繰り上げ返済をしない方がいいのか」順番に説明します。
低金利
繰り上げ返済をしない方がいい1番の理由は低金利です。
2022年1月現在、住宅ローン金利は史上最低付近になっていて変動金利であれば0.5%を切っています。
先ほどの例で説明すると、100万円繰り上げしても35年間で30万円の効果しかありません。
ですがもし3%の配当がもらえる株式に100万円を投資していれば、35年間で約270万円に増やすことができます。
住宅ローン控除のメリットが減る
住宅ローンは一定の条件を満たすことでローン額が減額される「住宅ローン控除」があります。
住宅ローン控除が適応されると、返済額の1%が年末調整で給料から控除されます。
例えば3,000万円借入していれば、30万円分が控除されるので約6万円の節税になります。
100万円繰り上げ返済すると、1万円分控除が受けられなくなるので、約2,000円節税できなくなります。
住宅ローン控除の期間は13年なので、2千円×13年で26,000円節税できなくなります。
団信の補償期間が短くなる
団信とは住宅ローンのオプションで、借入者にもしものことがあると住宅ローンが全額免除される制度です。
団信が適用される条件
- 死亡・高度障害
- 三大疾病 (がん・急性心筋梗塞・脳卒中)
- 八大疾病(七大疾病)
期間短縮型の繰り上げ返済をすると、その分団信が適用される期間が減ってしまいます。
手元資金がなくなる
繰り上げ返済で自己資金を使ってしまうと、手元の資金が減少します。
そうするともしトラブルなどで急な出費が必要になったときに、ずっと高い金利のローンで借金しなければいけません。
ローン金利の比較
- 住宅ローン:約1%
- 自動車ローン:約5%
- カードローン:約10%
- 消費者金融:約15%
例えば病気や怪我で働けなくなる、子供が産まれて養育費が必要になるなどは十分に起こりえ得ることです。
手数料がかかる
さらに細かい話をすると、金融機関によっては繰り上げ返済をするときに手数料を取ります。
例えばみずほ銀行の窓口受付だと、手数料は33,000円します。
ただでさえ効果の少ない繰り上げ返済で、手数料までかかるとメリットがますます無くなります。
投資の機会を逃す
投資の機会はいつ訪れるか分かりません。
そのため繰り上げ返済をしてしまうと、手元の現金がなくなってしまい、もしチャンスが訪れても投資を諦めるしかありません。
現金を持っていることは、投資のチャンスを常に持っているという事といえます。
繰り上げ返済をした方がいいケースとは

それでは繰り上げ返済をしたほうがいい場合について考えてみます。
金利の上昇
もし金利が3%を超えるような場合は繰り上げ返済した方がいいと思います。
3%とした理由は、これを超える利回りの投資商品を探すのが難しくなるからです。
2022年1月現在の株価はかなり割高になっていて、今後はいままでのように高い利回りを目指すのが難しいと考えています。
借金の心理的負担を軽くしたい
借金を抱えていることがすごいストレスだと感じる場合は、繰り上げ返済する方法もあります。
日本人の国民性として、そういう考え方の人は多いようです。
その場合でも手元資金はある程度残しておいたほうが良いです。
リスクのある資産運用はしたくない
日本人の国民性の続きで、株や不動産投資などリスクのある方法が好きではない人もいると思います。
長期的に見れば合理的な方法だと考えますが、常にプラスになっているわけではありません。
もし投資で少しでも元本が割れるのが嫌だという場合は、繰り上げ返済したほうが良いです。
繰り上げ返済の代わりに取るべき行動とは

それでは最後に、繰り上げ返済したい代わりに、どのような行動をとると良いのかご紹介します。
余裕資金はインデックス投資に回す
インデックス投資とは、例えば米国のS&P500のように多数の企業からなる株価指数に投資することです。
S&P500は過去100年に渡り、平均年間利回り6%以上を達成しています。
現在は非常に割高ですが、繰り上げ返済のために毎月お金を貯めるより、つみたてNISAやiDeCoをコツコツ積み立てる方をおすすめします。
繰り上げ返済とインデックス投資の比較
つみたてNISAやiDeCoは年間の上限額があるので、もしさらに投資を考えるならETF投資をおすすめします。
ETFとはインデックス投資に低コストで投資できる金融商品です。
S&P500はもちろん、それ以外にも今後有望な産業の企業を集めた商品など多くの種類があります。
投資でつながる。日本初のソーシャルトレーディング【アイデアブック】
最後に
最後にこの記事をまとめます。
- 住宅ローンの繰り上げ返済は期間短縮型と返済額軽減型があります
- 繰り上げ返済のメリットは返済総額が減ることですが、低金利だとわずかな効果しかありません
- 繰り上げ返済をしない方がいい理由は
①低金利
②住宅ローン控除が受けられない
③団信の期間が短くなる
④手元資金がなくなる
⑤手数料がかかる
⑥投資機会を失う - ただし金利が上昇した場合などは繰り上げ返済がおすすめです
- 繰り上げ返済よりもつみたてNISAやiDeCo、ETFがおすすめです
最後に私の経験談をお話しすると、私は借金や金利を払うことに抵抗感が強い人間でした。
そのため住宅ローンを組んでから、毎年のように繰り上げ返済を行いました。
またローンを組むときも、まとまったお金を頭金として使ってしまいました。
もし繰り上げ返済や、頭金で使わずに積立投資をしていればと悔やむこともあります。
この記事を読んだ方が、同じ後悔を繰り返さないようになればと思います。
さらに詳しい投資に関する知見をこちらの記事でまとめています。
このブログでは節約・副業・投資に関する資産形成に役立つ情報を紹介しています。
一人でも多くの読者の方が、今日から豊かな人生設計を始めるきっかけになればと思っています。
良かったら気になる記事があれば、こちらから是非お読みください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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