私は家計簿を販売していて、他の家の家計簿の相談に乗ることがあります。
家計簿を見ると、その家がお金の不安を感じているか結構よく分かります。
家計簿の違いに気付くと、お金の不安から解放される方法に気付くきっかけになるかもしれません。
プロローグ

ねえ、銀行預金が全然溜まっていないんだけど心当たりある?
最近、よくゴルフ行ってたよね?

えっ!
えーと、どうだったかな。
それより、どうしたの急に

だって塾の入学金のために貯めておいた貯金が足りないのよ。
どうしよう!塾に行けないと大学受験に失敗しちゃうじゃない!

俺だってたまにはストレス解消したいんだよ。
それより最近、よく友達とランチ行ってるよね。
人のこと言えないじゃん!
この記事の内容を読むとこんなことが分かります。
- お金の不安を持っている人の割合や、その背景を解説します
- お金の不安を持っている家庭は、家計簿を見ると分かります
- なぜお金の不安にとらわれてしまうのか、原因を解説します
- お金の不安から解放される方法を解説します
- お金の不安から解放されるための手順を解説します
著者について
- うつ病で休職中に会社に依存しない生活を目指して、資産形成を開始しました
- 節約、副業で貯めた資金をコツコツ投資、40歳で資産は4000万円オーバーしました
- お金の不安を持つ人に向けて、ブログで資産形成のための情報発信をしています
・この記事を書いている私のプロフィールはこちらです。
- 節約と投資と副業が趣味の40代サラリーマン
- 仕事は原価計算などお金に関する仕事一筋
- 趣味が興じて簿記2級を独学で取得
- 4人家族で生活費は月27万円。資産は4千万
- 35歳でうつ病を経験し、会社に依存しない生き方に挑戦中
【家計簿でわかる】なぜか消えないお金の不安がなくなる方法

コロナ禍以前から、日本のサラリーマンの所得は下がり続けています。
一体どれくらいの人がお金の不安を抱えて生活しているのでしょうか。
お金の不安を持っている人の割合
まず、どれくらいの人が『お金の不安を持っているか』調査した結果を紹介します。
調査期間は2020年7月、全国の20代から50代の男女333人に対して行った「お金に不安を感じるか」というアンケートです。

結果を見ると「かなり不安を感じる」「少し不安を感じる」「不安を感じるようになった」を合わせると約4人に3人が不安を持っていることが分かります。
お金の不安を持つ人がなぜ増えているのか
これだけ多くの人がお金の不安を持っている理由は、人それぞれに様々な理由があります。
- コロナで収入が減った
- 将来の年金がもらえるか分からない
- 子供の養育費が足りるか不安
- なんとなく不安を感じる
確かに社会情勢は先行き不透明で、コロナの感染拡大や少子高齢化など将来に不安になるニュースは絶えません。
ですが同じ社会で生きている人同士でも、お金に不安のない人は4人に1人いるのはなぜでしょう。
お金の不安は収入に関係ない?!
4人に1人いるお金に不安のない人は、他の人より収入が多い人なのでしょうか。
確かに収入が多ければ、お金の不安は和らぐかもしれません。
年収の高さが幸福度と比例しているという研究結果もあります。
ですが収入が多いだけでは、お金の不安から解放されるには不十分です。
なぜならいくら収入が高くても、将来までそれが約束されていないし、支出が上回っていたら不安を感じてしまうからです。
その不安感は実は家計簿に現れています。
ではどういう家計簿の家はお金に不安があるのか、逆に不安が無い家の家計簿はどうなっているか紹介します。
お金の不安は家計簿を見れば分かる
お金に不安のある/ない家計簿の比較
次に紹介するグラフは我が家の実際の家計簿で、ある時期とある時期を比べたものです。
左のグラフが「お金の不安をかけていていた頃の家計」、右のグラフが「お金の不安が無くなった頃の家計」です。
1年間の家計の毎月の収入の合計が青い棒、毎月の支出合計が赤い棒です。

- お金の不安があった頃の家計簿
夫婦共働きで年間所得は602万円でした
1年間の支出は540万円(貯金額:62万円) - お金の不安が無くなった頃の家計簿
妻が退職して、年間所得は378万円に減りました
生活費を見直して1年間の支出は324万円(貯金額:54万円)
お金の不安がある家計簿(左グラフ)の方が、収入も貯蓄額も多いのですが不安定に感じませんか?
なぜ収入が多くてもお金の不安が起きるのか
さきほどのグラフで、なぜ収入が多い家計簿の方がお金の不安があるのかを解説します。
- 年間の貯蓄は多いのに、赤字の月があるから
- 支出がばらつくのは、精神的な不安定さを表しているから
(物欲や消費欲をコントロールできていない) - 収入が増えると支出が増えているので、収入が増えてもお金の不安が無くならない
ではなぜこのように、お金の不安を持つような家計に陥ってしまうのでしょうか?
次の章で詳しく解説していきます。
なぜお金の不安がなくならないのか

それではお金の不安をなぜ無意識のうちに抱えてしまっているのか解説します。
お金がいくらあっても足りないと感じる
食欲や睡眠欲は十分に充足されれば満足できます。
このことを「限界効用逓減の法則」といいます。
ですが金銭欲は充足することが難しい欲求です。
いくらあってもお金は困らないという考えを持っていると、私たちは収入が増えても不安が消えることがありません。
なぜかお金が貯まらない
無駄遣いしているつもりが無いのに、いつもお金が無い。
残業が減ったから?子供の養育費が増えたから?
普通に暮らしているだけなのに、一向に貯金が増えていかないなんてことはないでしょうか。
分かっていないから不安になる
そもそも自分がいくらあれば満足できるのか、分かっている人は少ないと思います。
現在ですらそうなのに、将来どのような人生を送りたいのか、それにはお金がどれだけ必要なのかまで想像することは困難です。
分かっていなければ、当然お金の不安を抱えてしまいます。
その上、ニュースなどで年金問題や雇用の不安を聞かされると、更に不安を積もらせてしまいます。
ストレスをお金で解消してしまう
不安やストレスを溜めると、どうしてもお金を使って解消したくなります。
それが一番早い方法で、即効性があると思われているからです。
買い物をしたり、旅行したり、外食したりするとその時は気分よく過ごせるからです。
ですが、後から反動でお金を使ったことで、またお金の不安が大きくなって返ってきます。
周りから価値観を押し付けられる
外からの刺激で、お金の不安を感じさせられるのがこのような会話です。
「あれっ、お前まだ賃貸アパートなの?良かったら参考に新築の家見に来なよ!」
「うちの子を今度、私立の○○幼稚園に入れるの。読み書きは小学校前に全員できるようになるし、英会話まで教えてくれるんだって。」
こういう会話によって、知らず知らずに自分も高額な買い物の必要に迫られてしまいます。
なぜかお金の不安がなくなる方法とは

この章では、お金の不安から解放される方法を紹介していきます。
最低生活費を把握する
欲求を捨てることがお金の不安を取り除いてくれる
お金に不安のある人は、自分がいくらあれば快適に暮らせるのかを把握していない人が多いです。
「欲しいものが沢山あって、お金はいくらあっても足りないよ」
「広い豪邸に住んで、豪華な食事に、ショッピング・・もっとお金がほしい!」
という考えでいると、お金の不安から解放されることはありません。
お金の不安を抱えながら分不相応な暮らしをするのと、お金の不安から解放された暮らしどちらが自分らしい生活が送れるのでしょうか?
本当に自分が快適な生活を送るために必要な支出は実はそんなにかかりません。
家計簿をつけると幸福レベルを下げられる
家計簿をつけて自分の生活費を把握して、不要なものを削っていくとどんどん自分の幸福レベルを下げることができます。
家計簿をつけるお勧めの方法は『マネーフォワード』です。
クレジットカードの支出や、銀行・証券会社の取引を自動で記録してくれるからです。
実際に自分の支出を目にすることで、「この支出は意味なかったな」と気付けるようになります。
ちょっとした浪費をやめる
家計簿をつけると気づくのが、自分で無意識のうちに不要な浪費をしていることです。
- コンビニでお茶や水を毎日買っている
- 外食でセット商品を注文している
- 自動販売機でよくコーヒーを買っている
こういった少しずつの出費が積もり積もると大きな金額になります。
そして得られる満足はほとんどないので、なんともコスパの悪い出費だと思いませんか?
少し生活習慣を変えるだけで年間数万円の節約になります。
ただし節約のしすぎでストレスを抱えることがないように注意が必要です。
「遠くのドラッグストアまで20円安いペットボトルを買いに行く」というような節約をするのではなくて、「アマゾンで安く箱買いして会社に持って行くようにする」ようにすれば買いに行く手間も省けて、コストも下がります。
このように自分にストレスがかからず可能な節約方法を考えることが大切です。
将来必要なお金について考える
お金が貯まっていかない人の特徴に、「何のために貯金をしているか」ハッキリ目的が無い人が多いと思います。
漠然とした意識で貯金をしていると、何か欲しいモノが現れた時に簡単にに貯金を下ろしてしまいます。
ですが何お考えなしにお金を使っていると、いざ必要な時に自分が困りますよね。
自分が将来どういう生活を送りたいのか考えて、そのために必要なお金が分かれば毎月いくら貯金すればよいのか分かります。
- 都内に分譲マンションを買いたいから、頭金を今から毎月貯めよう
- 子供の養育費を今から5万円ずつ貯めよう
- 老後の生活費を増やすためにつみたてNISAを毎月3万円投資しよう
こんなハッキリした目的を持てば、簡単に貯金を下ろさなくなるし、毎月の貯蓄が苦にならなくなります。
物欲をコントロールする
お金を使い過ぎる人には、「モノへの執着」が強い傾向が見られます。
「お祝いで貰ったから捨てにくい」「ブランド品で手に入らない」とか理由をつけて、モノを手放したがりません。
物を大切に使うことと、執着することは違います。
あくまで自分が幸福感を得るために、モノは必要なのであって、モノの管理人になると余計な手間やコストがかかってしまいます。
モノを手に入れるためにかかるコスト
- 物モノを買うとお金が減る
- 減ったお金のために働いて自由な時間が減る
- モノが増えると部屋が手狭になりストレスが増える
- ストレス解消にモノを買う
知らず知らずのうちにこんな負のループにハマっていないでしょうか?
交友関係を見直す
お金を使い過ぎる人の周りには、お金遣いが荒い人がいることが多いです。
どういう人と付き合っているかは、自分の価値観に影響します。
もし自分が「この人の金銭感覚は合わないな」という人が周りにいたら、距離を置くことをお勧めします。
金銭感覚の合わない人と付き合うと、マウンティング合戦で自分の価値観を傷つけられたりして、意味のないストレスを抱えてしまうからです。
- うちの子は私立の幼稚園でこんな英才教育を受けている
- 連休のたびに行く豪華な旅行の話をされる
- ブランド品を見せびらかしてくる
- 宇宙旅行に行った写真を世界中に見せびらかしている
自分が本当に満足できる生活とは何か、自分の軸をぶらさないためにも付き合う人には注意が必要です。
お金の不安がなくなるまでの手順

それでは具体的にお金の不安が消えるまでの手順を解説します。
私の家でもこの方法を実践をして、妻が退職後も金銭的な不安はありません。
家計簿をつける
まずは現状を把握する必要があります。
家計簿をつけない状態は、山登りで地図もコンパスも持たずに歩いているのと同じです。
いつ山頂につくのか、そもそも山頂に近づいているのかも分かっていません。
家計簿のつけ方はマネーフォワードを使えば、毎月5分で完了できるので、面倒な人でも続けられるようになります。
必要な生活費を下げる
家計簿をつけたら次に、ストレスがかからない最低生活費を理解します。
それは下記のグラフで示すように、1ヵ月の支出の最低ラインにおおよそ一致します。
なぜならその月が、余計なもっとも少なかった1ヵ月だからです。

まずは毎月の支出をこのラインにずっと合わせられるようにします。
そしてこの支出の内訳から、さらに削って問題ない項目が無いかを調べます。
例えば、スマホを高額なキャリアから、格安SIMに変えるなどです。
我が家の場合は色々な費用を見直して、最低生活費を32万円から27万円に引き下げることができました。
具体的にどのように生活費を下げたかはこちらで紹介しています。
将来設計をする
次に将来に必要なお金を理解します。
- 子供が産まれても夫婦共稼ぎを続けるのか
- 住居は購入か、賃貸を続けるのか
- 子供は何人欲しいのか
- 老後の資金はいくら貯めておきたいのか
これが分かると今の年齢から、毎月いくらずつ積み立てていけばよいか分かります。
我が家の場合は、子供二人を大学まで進学させる費用を計算し、さらに老後の資金計画も問題ないと判断して、妻の退職を決めました。
毎月の積み立てを開始する
毎月の積み立ては銀行預金だと、金利が低くてまったく利息をもらえません。
そのためつみたてNISAやiDeCoで運用することをお勧めします。
利回りが3%であれば、30年で掛け金が1.3倍程度まで増えるからです。
つみたてNISAは年間40万円が上限で、非課税で株式などの投資信託を毎月購入する制度です。
iDeCoもつみたてNISAと同じく非課税で、投資信託を毎月コツコツ積立できる制度です。
職種にもよりますが、サラリーマンなら月約12,000円が上限額です。
年間収支表で実績をチェックする
家計簿で現状把握して、将来設計を立てたら、後はそれが計画通りに続けられているか年間収支表でチェックしていきます。
年間収支表とは、下記のグラフのことで1年間でいくら貯蓄するかを年初に計画して管理するものです。

毎月一回、家計簿をつけたときに自動的に年間収支表を作れるようにすれば何も手間はかかりません。
また年間収支表をつけると、固定資産税や車検のように、毎年決まった月に発生する出費を計画に入れることができます。
そのため1年通していつでも、お金の使い過ぎをチェックができます。
最後に
最後にこの記事をまとめます。
- サラリーマンの所得は減り続け、お金の不安を抱えている人が4人中3人もいます
- お金の不安を持つ家の家計簿は、急な出費が何回も発生していて不安定です
- お金の不安が発生する理由は以下の通りです。
①いくらあっても足りなく感じる
②将来設計ができていない
③ストレスでお金を使う
④周りの価値観を押し付けられる - お金の不安から解放されるには以下の点を注意しましょう
②ちょっとした浪費を止める
③将来設計をする
④物欲をコントロールする
⑤交友関係を見直す - お金の不安から解放される手順は
①家計簿をつける
②必要な生活費を下げる
③将来設計をする
④必要な積立を始める
⑤年間収支表で実績管理する
今回紹介した事例で、お金を浪費する原因は、割と多くの人が何かしらの項目に該当するのではないかと思います。
自分もうつ病になる前は、ほとんどすべての項目に当てはまっていて、常にお金の不安を感じていました。
なのでもし当てはまる項目があっても、何も気にする必要はありません。
今回の気付きを活かして、これからお金の不安を無くす方法を考えられるからです。
実際に紹介した方法を試してみると、物欲や強制される価値観に支配されず、お金の不安が消えてストレスの少ない生活が手に入れられます。
そのためにも、まずは家計簿をつけることを始めてみましょう。
さらに詳しい家計簿に関する知見をこちらの記事でまとめています。
このブログでは節約・副業・投資に関する資産形成に役立つ情報を紹介しています。
一人でも多くの読者の方が、今日から豊かな人生設計を始めるきっかけになればと思っています。
良かったら気になる記事があれば、こちらから是非お読みください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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