バランスファンドは株や債券、不動産など種類の異なる金融資産に分散投資ができる投資信託です。
初心者でも選ぶのに迷わなくて良いというイメージで、つみたてNISAなどでよく選ばれています。
私も一時期つみたてNISAに組み入れていましたが、結局株は株、不動産は不動産、債権は債権で運用することにしました。
とくに投資初心者や、副業で取り組んでいる会社員や公務員などにはおすすめしないので、その理由を解説していきます。
プロローグ

つみたてNISAって投資できる商品が多くて迷っちゃうね。
もうバランスファンド1本で決めちゃおうかな・・

バランスファンドかー
たしかに分散投資はしっかりできてるけどね。
初心者には向いていないかも。

あんまりお勧めじゃないみたいね。
どうしてなの?
この記事の内容を読むとこんなことが分かります。
- バランスファンドの基本的な内容をご紹介します
- バランスファンドのメリット、デメリット、口コミ情報をご紹介します
- バランスファンドをお勧めしない理由を解説します
- バランスファンドよりお勧めのインデックスファンドを2つ紹介します
著者について
- 節約、副業で貯めた資金をコツコツ投資、40歳で資産は4000万円オーバーしました
- つみたてNISAは2019年から継続中です
- 株式投資経験は15年以上、個別株・投資信託・ETF・Jリートの取引履歴が多数あります
・この記事を書いている私のプロフィールはこちらです。
- 節約と投資と副業が趣味の40代サラリーマン
- 仕事は原価計算などお金に関する仕事一筋
- 趣味が興じて簿記2級を独学で取得
- 4人家族で生活費は月27万円。資産は4千万
- 35歳でうつ病を経験し、会社に依存しない生き方に挑戦中
バランスファンドはおすすめしない。つみたてNISAに不要な6つの理由

バランスファンドとは
株や債券、REITなどの複数のタイプの金融商品にまたがって運用ができる投資信託です。
つみたてNISAやiDeCoで買えるファンドもあります。
様々な資産や国・地域に分散投資していて、国内や先進国、新興国など、世界中に幅広く投資先を分散しているものが多く存在します。
1つのファンドを買うだけで、世界中の様々な資産にバランス良く投資できて、コストも割安なものがあるので、投資初心者の中で利用する人が増えてきています。
バランスファンドの種類
バランスファンドに含まれている資産は以下の通りです。
- 株式(日本・先進国・新興国)
- 債券(日本・先進国・新興国)
- REIT(日本・先進国)
- コモディティ
これらの資産のバランス配分を調整したファンドがいくつも存在していて、自分の投資方針ファンドを選択していきます。
バランスファンドとその他の投資信託の比較
一般的な投資信託は、株式なら株式のみに投資をしていて、複数の種類の資産には投資していません。
その点バランスファンドは複数の資産にまたがっているので、分散投資をする手間が省けます。
その一方で、バランスファンドの方が信託報酬(手数料)が高い傾向があります。
また近年は株高傾向が続いている影響で、利回りを比較するとバランスファンドの方が低い傾向があります。
バランスファンド(ニッセイ・インデックスバランスファンド)と、NYダウ指数を比較した場合、2019年から2022年まで3年間ではNYダウが約10%高くなっています。

バランスファンドの具体例を紹介
ここで実際にバランスファンドをイメージしてもらえるように、具体的な例をいくつか紹介します。
たわらノーロード バランス(積極型)
「ノーロード」とは販売手数料が無料の投資信託のことです。
株式を多めに配分しているので、最近の利回りが比較的高くなっています。
「たわらノーロード バランス(積極型)」の特徴
- 資産配分は株式55%、債券20%、REIT25%
- 信託報酬は0.242%以内
- つみたてNISA対応
- トータルリターンは過去1年で21%、過去3年で11.5%
ニッセイ・インデックスバランスファンド 6資産均等型
6資産(国内・先進国の株・債券・REIT)に均等に分散投資したファンドです。
先進国のみに投資している特徴があります。
「ニッセイ・インデックスバランスファンド 6資産均等型」の特徴
- 資産配分は株式33%、債券33%、REIT33%
- 信託報酬は0.1749%以内
- つみたてNISA対応
- トータルリターンは過去1年で18.8%、過去3年で8.9%
楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)
REITには投資しないバランスファンドを紹介します。
全世界の株式と債券に均等に投資できるファンドです。
「楽天・インデックス・バランス・ファンド」の特徴
- 資産配分は株式70%、債券30%、REIT0%
- 信託報酬は0.218%以内
- つみたてNISA対応
- トータルリターンは過去1年で20.2%、過去3年で12.8%
バランスファンドの評判や口コミは

バランスファンドの基本情報に続いて、メリットやデメリット、評判をまとめて説明します。
バランスファンドのメリット
ここまでの特徴から、バランスファンドのメリットについて考えます。
- 様々な資産に簡単に分散投資ができる
- 多様なファンドがあるので、自分に合った資産配分のファンドを見つけられる
- つみたてNISAを使って非課税で運用できる
- リバランスを自動的に行ってくれる
リバランスとは、常に一定の比率で資産配分を保つ調整のことです。
例えば運用中にもし株価が上がって、REITが下がった場合に、株を売ってREITを買います。
そうすることで株の比率が上がらないようにします。
バランスファンドのデメリット
続いてバランスファンドのデメリットをまとめて説明します。
- インデックスファンドと比較して手数料が高い
- 運用成績の結果を見ても、要因がつかみにくい
- 分散が多すぎると、リターンが期待できなくなる
バランスファンドの口コミ・評判
ここでTwitter上のバランスファンドの口コミ情報をいくつかご紹介します。
おすすめする口コミ・評判
・投資後は放置できる
おすすめしない口コミ・評判
・リターンが小さい
・手数料が高い
バランスファンドの口コミや評判を探すと、運用を積極的に進めるものはほとんどありませんでした。
管理が楽ということで選ぶ人はいるようですが、実際に利回りがよいという口コミは見つけられませんでした。
バランスファンドの評判がいまいち。おすすめしない理由

ここまででバランスファンドの基本的な情報をお伝えしてきました。
優れた点もあるバランスファンドですが、あえてお勧めしない理由をご説明します。
手数料が高い
バランスファンドのデメリットでお伝えした通り、信託報酬はインデックスファンドより高いです。
- バランスファンド:0.2%~
- インデックスファンド:0.1%~
つみたてNISAのように長期で積立投資する場合は、信託報酬の違いで運用成績が大きく影響を受けるので、バランスファンドは不利になります。
初心者にはおすすめしない
投資の初心者にとって、バランスファンドは自分で銘柄選定する必要が無いので、簡単で始めやすいイメージがあります。
ですがバランスファンドをいきなり始めると、投資の基本的な知識がないので混乱する可能性があります。
例えば初心者の場合、まず国内株の取引で株式投資とは何かを学び、次に先進国や新興国の株式投資を行うなど、徐々に経験と知識を増やせます。
その過程を通らないまま、バランスファンドを開始すると、債券、REIT、先進国、新興国などがどういう性質のものか理解できず、なんとなく投資をしているだけになってしまいます。
資産配分の決め方が難しい
そして特に初心者におすすめしない理由を説明します。
それは株式・債券・REITがそれぞれどういう値動きをするか分かっていないのに、資産配分をどうするか決めるのは非常に難しいことです。
たとえベテランの投資家であっても、今後は株価が上がって、債券が下がるだろうという事を予想することは大変難しいのです。
そんな中で、様々な資産配分のバランスファンドから、適切なファンドを見つけ出すのは簡単ではありません。
過去の暴落時で下落率が大きく、その後の上昇率は低い
過去の「リーマンショック」や「ITバブル崩壊」で、バランスファンドが実際に分散投資のおかげでリスク回避できたかを調べた結果をご紹介します。
- ITバブル崩壊(2000年)
バランスファンドは約30%、インデックスファンドも約30%の下落 - リーマンショック(2007年)
バランスファンドは約46%、インデックスファンドは約61%の下落
この結果を見ると、リーマンショックではバランスファンドは下落率を抑えられたように見えますが、暴落からの上昇率の低さが問題になっています。
例えば2020年3月に起きたコロナショックで暴落した株価は、2021年8月までに先進国で約76%上昇しました。
ですがバランスファンドは約33%しか上昇しなかった結果が出ています。
資産を分散するほど不要に高リスクになる矛盾
コロナショックのときのバランスファンドの運用成績を紹介します。
比較しているのは4つのバランスファンドで、それぞれ分散している資産の数が違います。
比較しているのは、2020/2/21~3/19の間の下落率と、その後1年間の上昇率です。

この表から、多くの資産に分散するほどショック時の下落率が高いことが分かります。
バランスファンドをリスク低減のために、活用しようという考えとは相反する結果でした。
投資の技術・経験が身に付かない
投資の知識や技術が一番身に付くタイミングは、やはり損失を出して失敗したときです。
私にも投資の転機となった、痛い経験が何回かあります。
そんなときに大切なことは、何故失敗したのかを理解して次につなげることです。
ですがバランスファンドの場合は、損失を出しても何が悪かったのか、要因がはっきりしません。
そうすると次からの反省にならず、逆に運よく利益を出した場合に調子に乗って、大きな失敗をする可能性があります。
バランスファンドよりつみたてNISAにおすすめのファンド

それでは最後に、バランスファンドよりお勧めのインデックスファンドをご紹介します。
手数料が低く、多くの証券会社で取り扱っているファンドです。
S&P500は世界最強指数とも呼ばれ、過去数十年平均して8,9%の利回りを出し続けてきたモンスター指数です。
プロの証券アナリストが選りすぐった銘柄でも太刀打ちできない、優秀な企業の株価を簡単に分散投資できます。
米国1国だと分散性が足りないので、全世界の企業に投資をする投資信託を併せて運用することをお勧めします。
こちらの記事で詳しく解説しています。
投資でつながる。日本初のソーシャルトレーディング【アイデアブック】
最後に
最後にこの記事をまとめます。
- バランスファンドは株、債券、REITなどに分散投資が簡単にできます
- バランスファンドはつみたてNISAにも使えて、自動でリバランスができます
- バランスファンドはインデックスファンドより手数料が高い傾向があります
- バランスファンドをお勧めしない理由は
①手数料が高い
②初心者にわかりにくい
③資産配分を決めるのが難しい
④過去の暴落での運用成績が悪い
⑤投資の技術・経験が身に付かない - バランスファンドよりお勧めのインデックスファンドは以下の2つです
①eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
②eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
投資においてリスクとリターンは常に、表裏一体のものです。
そして時と場合によって使い分けが必要になります。
もしあなたがすでに退職間近で、老後資金を減らしたくないという状況なら、ここではお勧めしなかったバランスファンドも一つの手です。
つまり最終的には、自分のとれるリスク、狙いたいリターン、投資できる期間などを考えて決める必要があります。
万人にとって正解の投資方法はありませんが、自分が何に投資しているか、何のために投資しているのかハッキリさせることは必ず必要だと思います。
さらに詳しい投資に関する知見をこちらの記事でまとめています。
このブログでは節約・副業・投資に関する資産形成に役立つ情報を紹介しています。
一人でも多くの読者の方が、今日から豊かな人生設計を始めるきっかけになればと思っています。
良かったら気になる記事があれば、こちらから是非お読みください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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