2007年上場以来、S&P500株式指数より高い利回りを記録して、最近注目されているETFがあります。
水ビジネスに投資できるETF『PIO』は、今後の世界の人口増加で必ず起きる水不足をテーマにしています。
直近では不足する半導体の増産で純水の需要の高まる他、2050年には世界人口のうち50億人以上が深刻な水不足に陥ると言われています。
この記事では今後の水ビジネスの発展に伴って成長する、水ETFについて解説していきます。
この記事の内容を読むとこんなことが分かります。
- 水ETF、水ビジネスとは
- 水ETFが今後成長する理由を説明します
- 水ETF『インベスコ・グローバル・ウォーター』について解説します
- 水ETFに投資するリスクを説明します
著者について
- 株式投資経験は15年以上、個別株・投資信託・ETF・リートの取引履歴が多数あります
- 節約、副業で貯めた資金をコツコツ投資、40歳で資産は4000万円オーバーしました
・この記事を書いている私のプロフィールはこちらです。
- 節約と投資と副業が趣味の40代サラリーマン
- 仕事は原価計算などお金に関する仕事一筋
- 趣味が興じて簿記2級を独学で取得
- 4人家族で生活費は月27万円。資産は4千万
- 35歳でうつ病を経験し、会社に依存しない生き方に挑戦中
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水ETFインベスコ・グローバル・ウォーターPIO投資がおすすめの理由

水に投資するとは
水投資が増える背景
「水」資源は人間の生活に無くてはならない資源の1つです。
ですが今後の人口増加や工業の発展で、深刻な水不足が起きることが予想されています。
日本にいると実感が持ちにくいですが、すでに水不足に悩む地域や産業も起きてきています。
水不足が予想される要因
- 半導体生産には超純水がすでに不足し始めている
- 2050年までに南北アフリカだけで23億人が水不足に直面する
- 2050年には世界人口の約4割が水不足になると予想
- 工業用水の需要が2050年までに5倍、発電用で2.4倍、生活用水が1.5倍に増える
水ビジネスの変化
最近では原油や金と同じように、水の価格そのものに投資をする商品が登場しています。
2020年12月にシカゴ先物取引所では水先物取引が開始されました。
売買開始から1年半で約4倍の価格に上昇をしていて、投資家の注目を集めています。
しかし先物取引が持つリスクとして、自然災害や人為的な価格変動などがあります。
そこで今回紹介するのは、水そのものへの投資では無くて、水関連企業に株式投資する方法です。
水ETF『PIO』とは
世界の水ビジネスの市場は約110兆円といわれています。
水ETFは世界中の水関連企業の株式に分散投資するETFです。
例えば、浄水場、下水関連、パイプラインの建設など水道事業などに関わっている企業に投資しています。
水ETF『PIO』がおすすめの理由
世界人口の増加による水需要の増加
世界人口の増加による、世界の取水量も増え続けます(下記グラフ参照)

取水量が増え続けるということは、それに関連するビジネスの成長が見込まれるということです。
水循環型社会構築の必要性
増加する水需要を満たすためには、循環型のシステム構築が不可欠です。
SDGsのテーマの1つにも挙げられています。
つまり下記の絵のように、浄水場や下水処理場といった施設や、家庭との間を繋ぐ配管設備が必要となります。

今後増え続ける人口とともに、水関連ビジネスの需要も必然的に高まることが予想できます。
工業・農業需要の高まり
取水された水の約1割が工業用で使われています。
例えば半導体の製造には多くの水が必要で、水不足で半導体生産が台湾で抑制される出来事がありました。
さらに農業には約7割の水が利用されています。
水不足は、世界の食料価格指数の上昇に繋がっていて、ますます水需要を高める要因になっています。

水ETF『PIO』の直近チャート
水ETF「PIO」の直近チャートは以下の通りです。
水ETF『PIO』とS&P500の比較
水関連ビジネスで構築された、水ETFの成長は株価の上昇にも表れています。
アメリカの代表的な銘柄で構築されている、株式投資指数S&P500と比較したグラフがこちらです。
横軸が2021/3から9月までの半年間、縦軸が利回り、濃い青いラインが水ETF 『インベスコ・グローバル・ウォーター』 、水色のラインがS&P500です。

S&P500の利回りが14.3%、水ETF『インベスコ・グローバル・ウォーター』PIOの利回りが22.8%となっています。
水ETF『インベスコ・グローバル・ウォーター』PIOとは

水ETF『PIO』の基本情報
以下の表に基本情報をまとめます。

アメリカに上場するETFで、『PIO』というティッカーで呼ばれています。
水ETF『PIO』の特徴
株価の割安性を表す指標は以下の通りです。(2022/3/11時点)

東証1部のPERは約16倍、PBRは約1.1倍なので、PIOの現在の価格は割高であるといえます。
水ETF『PIO』の構成配分
PIOの資産配分は下記の通りです。

米国に上場する企業、米国以外の企業株式と合わせてほぼ100%を占めています。
水ETF『PIO』の地域配分
次に、どの地域の企業に投資をしているかをグラフで示します。

アメリカが最も大きく44%、続いてイギリス21%、日本7%と続きます。
水ETF『PIO』の業種配分
水関連ビジネスの中でも、どういう業種の企業に投資しているかを表に示します。

一番多いのは素材で約56%、そのあとに法人向け、消費者向けサービスが続いています。
水ETF『PIO』の構成銘柄
こちらが水ETFの構成銘柄上位10社です。

- ダナハー株式会社
計測装置と医療機器を扱う米国のメーカー
水質や大気質の検査機など環境機器を扱う - エコラボ株式会社
170か国以上で水と衛生、感染予防に関するソリューションサービスを展開 - ペンテア
イギリスの産業用バルブメーカー
水ETF『PIO』の利回り
外貨、円貨ベースでの利回りを下記の表に示します。

ここ1年は特に大きく、株価が36~41%もの高い利回りを記録しています。
それ以外の年でも、円貨ベースだと平均して15%以上の利回りになっています。
水ETF『PIO』の分配金
直近の配当利回りは2.00%となっています。(2022/3/11現在)
年4回に分けて分配金が支払われます。
水ETF『PIO』の比較
日本で投資ができる水ETFは現在のところ『PIO』のみです。
その他には以下のようなETFがあります
- PHO(インベスコ・ウォーターリソーシズ)
- CGW(Invesco S&P Global Water Ind)
- FIW(ファースト・トラストISEウォーター・インデックス・ファンド)
水ETF『PIO』に株式投資するリスク
ボラティリティが大きい
水ETFは前述したS&P500のETFと比べて、構成企業が少なく、市場規模も小規模です。
価格の変動が一部のトレーダーの売買で影響を受けやすく、一時的には大きな変化が起きやすいので注意が必要です。
あだし、長期投資を考えている場合は大きな影響にはならないと思われます。
信託報酬が高い
S&P500のETFと比べて手数料が高めです。
- 水ETF『PIO』の信託報酬:0.75%
- S&P500 ETF『VOO』:0.03%
この点は水ビジネスの成長性が、一般的なビジネスより高いと考えるかどうかが、判断の材料になります。
水関連ビジネスの投資信託はお勧めしない
次にETF以外に水ビジネスに投資する方法として、投資信託について触れておきます。
ただし、信託報酬がETFと比較して遥かに高いので、このブログではお勧めをしません。
下記の表のように、信託報酬は1.8%と、ETFの2倍以上高くなっています。

最後に
最後にこの記事をまとめます。
- 水ETFは浄水、下水、パイプライン建設など水ビジネスに関わる企業に投資するETFです
- 今後人口増加や工業・農業需要など水需要が増えていくことが予想されます
- 水ETFはS&P500より高い利回りを示しています
- 水ETFのうち国内で投資できるのは『PIO』だけです
- 水ETFに投資する注意点は、値動きの激しさと信託報酬の高さです
NISAやIDECOの登場で、S&P500のETFへの投資がメジャーになってきていますが、水ETFはまだまだ知られていない存在だと思います。
しかしよく考えると、私たちの生活に無くてはならない物で、まず思い浮かべるのが『水』だと思います。
そして最近はニュースでも水不足による半導体生産の遅れなどを取り扱っていて、現実的に世界では水が足りなくなってきていることが認知され始めたと思います。
今後ますます増え続ける水ビジネスの需要に、長期的な視野で投資を始めてはいかがでしょうか?
さらに詳しい投資に関する知見をこちらの記事でまとめています。
本記事の参考文献など
- Invesco.com:「Investor&ticker=PIO」
- 沖大幹「水危機 ほんとうの話」
このブログでは節約・副業・投資に関する資産形成に役立つ情報を紹介しています。
一人でも多くの読者の方が、今日から豊かな人生設計を始めるきっかけになればと思っています。
良かったら気になる記事があれば、こちらから是非お読みください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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