最近やたらと証券会社や投資信託の宣伝を目にする機会がありませんか?
株価が絶好調な時は、普段は投資に興味のない一般の会社員や主婦、自営業者、学生までもが投資で利益を得ようと考えるからです。
こうなると次の新しい買い手がいなくなるため、株価はピークを迎えるといわれています。
果たしていつ今度の暴落が訪れるのでしょうか?
プロローグ

昨晩の米国市場で史上最高値を連日更新だって。
うちの積立NISAもだいぶ利益が溜まって嬉しいね。

うーん。
たしかに下がるより嬉しいんだけど、いつかは暴落が起きるから今の利益はそこまで気にしない方がいいかな。
一喜一憂しないで長期的に考えたほうがいいよ。
この記事の内容を読むとこんなことが分かります。
- 現在の株価は上がり過ぎで、暴落がいつおきてもおかしくありません
- 暴落が起きても大ダメージを受けない投資方法・資産管理方法を説明します
- 資産管理は「貯金」「節約」「副業」を普段から意識しましょう
- 投資は株に集中投資せずに、債券などを考えましょう
著者について
- 節約・副業・投資でコツコツ貯めた資産は4000万円をオーバーしました
- 株式投資歴15年程度。リーマンショック、東日本大震災などの暴落を経験。
- 米国株と債券ETFを組み合わせて、利回りと安定を追求したポートフォリオを提唱しています
・この記事を書いている私のプロフィールはこちらです。
- 節約と投資と副業が趣味の40代サラリーマン
- 仕事は原価計算などお金に関する仕事一筋
- 趣味が興じて簿記2級を独学で取得
- 4人家族で生活費は月27万円。資産は4千万
- 35歳でうつ病を経験し、会社に依存しない生き方に挑戦中
株価暴落はいつ来るのか。下落率はどうなる?

株価暴落は定期的に訪れる調整
順調な時はみんなが忘れてしまいますが、いつか必ずやってくるのが暴落です。
価暴落の具体的な例をS&P500のチャートで紹介すると、2000年と20007年に大きな暴落が起きています。

ITバブル崩壊とリーマンショックが原因でした。
暴落が起きると、株価は半値程度に下がることがあるので、覚悟をしていても実際に起きると精神的に大きな負担になります。
特にこれまで大きな暴落を体験したことの無い人は、想像ができないと思います。
右肩上がりの相場で安心して、全資産を株式投資につぎ込んでいると、暴落に合って仕事が手に付かない、夜眠れないようなショックを受けるかもしれません。
株価暴落が起きるとどうなるか
実際に過去の大きな暴落による下落率がどの程度だったかを示します。(日経平均終値で計算)
こちらは暴落発生前の月の高値と、発生後の安値で計算をしています。

もし今から2008年に起きたリーマンショック級の暴落が起きると、日経平均株価は28,000円から14,000円近くまで落ち込むことになります。
株価暴落が始まるタイミングは
暴落のタイミングは分からない
暴落が始まるタイミングは読むことができません。
少しずつ大きくなる風船が、いつはじけるのか分からないのと同じです。
また有名投資家や、アナリストの中には現在の株価が高騰し過ぎて、暴落は近いという発言をする人も現れています。
2008年のリーマンショックを言い当てた、モラン・タイス・キャピタルマネジメントのデービッド・タイス氏はインタビューでこんなことを答えています。
- 2008年からの強気相場が長すぎる
- 今後10年以上は弱気相場になるだろう
- 株価は40%~50%下落する可能性がある
- ハイテク企業の決算悪化がきっかけになる可能性がある
- 今後3,4か月で暴落が起きる可能性がある
ここでいうように株価が上がり過ぎると、実際に暴落が起きやすくなるのは本当でしょうか。
今の株価は高すぎるのか
まず今の株価が高すぎるのかどうか、米国株の歴史をもとに検証してみます。
アメリカの代表的な株式指標S&P500の150年間の長期チャートを示します。

一目で分かるように、現在の株価は買われ過ぎといっていいでしょう。
PBRやPER、配当利回りといった株価の割安・割高を表す指標を検証しても、やはりかなり割高といって良いです。
これだけ株価が高騰したのだとすると、次の暴落や弱気相場は深刻なものになるのでしょうか。
株価の割高・割安は弱気相場期間に影響がない
イメージ的には株価が高騰し過ぎた後の暴落や弱気相場のほうが、ショックが深刻になるように思うと思います。
それは日本ではバブル崩壊を経験していることが大きいと思います。
ですが米国株は必ずしもそうではありません。
米国株の過去の弱気相場について分析をした結果を、ウォールストリートジャーナルが発表した結果を紹介します。
- 1900年以降に起きた弱気相場30回の長さを調査
- 弱気相場開始前の割高・割安で層別
- 弱気相場の長さと、割高・割安の関係には統計的に相関が無かった
株価が割高だと利回りは低くなる
株価の割高・割安が弱気相場の長さと相関が無いことは、データで証明されています。
では安心して投資を続けていいかというと、必ずしもそうは言いきれない別のデータを紹介します。
こちらのグラフはS&P500の株価収益率PERと、そのPERで投資を始めた場合の、20年後の利回りの関係を示したグラフです。
PERとは株価に対してどれくらい儲けているかを表す指標で、高いほど株価が割高かを表しています。

グラフの赤線が示す通り、PERが高くなるほど利回りが低下する傾向がハッキリしています。
過去のデータによれば、現在の株価水準だと今後得られるリターンは年間でも3%程度という結果が出ています。
この分析によれば、現在の割高な環境で投資をするのはリスクが高いことを示しています。
こちらの別記事で詳しく紹介しています。
暴落に備えずに失敗する例
株価が好調になればなるほど、暴落への備えが大切なことを説明してきました。
この章では、暴落対策になっていない例をいくつか紹介します。
資産のすべてが株式資産
バブルは怖いと認識していても、目の前で株価がドンドン値上がりをしていると誘惑に負けて、株ばかり買ってしまいがちです。
債券や貯金なども持っていないと危険だと頭ではわかっていてもです。
その状態でもし暴落が起きると、目も当てられない悲惨な状況に陥ります。
長期積立・分散投資は備えにならない
「長期で積み立てて、分散投資」をすれば、必ず儲かるという宣伝文句で、ネットや雑誌などで投資に誘因をしています。
暴落が起きた時のダメージも軽減できると宣伝しているので、自分は大丈夫だと考えてしまうかもしれません。
ですが、長期・分散投資であろうと暴落時には大きなダメージを受けます。
例えば、2000年と2007年に起きた暴落では、分散投資の代表「インデックスファンド」や「バランスファンド」ともに深刻な暴落を起こしました。
- ITバブル崩壊(2000年)
バランスファンドは約30%、インデックスファンドも約30%の下落 - リーマンショック(2007年)
バランスファンドは約46%、インデックスファンドは約61%の下落
株価高騰の恩恵で生活レベルが上がっている
株価が暴落すると、実体経済が不況がなるため生活レベルが上がっていると、ダメージに耐えられなくなります。
株価暴落で起きる身近な問題
- 残業/ボーナスが無くなる
- 派遣が打ち切りになる
- REITやコモディティといった関連商品も値下がりする
暴落に備えとは単にポートフォリオを見直すことではなく、生活費の見直しや新しい収入源を作ることも必要です。
次の章で詳しく説明します。
株価暴落に備える投資方法・資産管理とは
では一体どのようにして暴落に備えたらよいのかご紹介します。
貯金で暴落に備える
投資にすべての資産を集中していると、暴落が起きた時に大ダメージを受ける可能性があります。
生活が行き詰まらないように、生活費と投資に使うお金は分けるべきです。
生活費用の半年分くらいは貯金しておきましょう。
そのためにはまず自分の1ヵ月の最低生活費を把握することが必要で、それには家計簿を日ごろからつける習慣が大切です。
家計簿については別記事で詳しく説明しているので、是非読んでみてください。
節約で株価暴落に備える
普段から節約を心がけておくと、暴落が起きても生活への影響が少なくなります。
サラリーマンなら毎月の給料からキチンと貯金ができていれば、当面の生活で困ることはありません。
また株の暴落が起きて、不景気になると途端に残業代やボーナスが下がったりします。
お勧めの節約レベルは、残業とボーナスを除いた手取り収入から、10~20%貯金に回せるようにしておくことです。
黒字家計を達成するコツをこちらの記事で紹介しています。
副業で株価暴落に備える
収入の補填ができる
株の暴落で急に残業やボーナスが減っても、副業収入があると安心できます。
給与収入には及ばなくても、副業収入のおかげで貯金残高がマイナスにならなかったら助かります。
副業収入を持っていると、生活防衛にも役立てられるのです。
副業については別の記事で詳しく紹介しています。
残業がなくなったら副業時間を増やす
残業が無くなった分、副業する時間を増やして収入の落ち込みを軽減することができます。
そうすれば残業が無くなったことでの収入の落ち込みを、最小限に抑えることが出来ます。
投資で株価暴落に備える
株価暴落で上がるETFに投資する
株価の下落、暴落で利益を出せる金融商品を紹介します。
- (1571) NEXT FUNDS 日経平均インバース・インデックス連動型上場投信
- (1357)NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信
- (1552)国際のETF VIX短期先物指数
これらの商品は、上場銘柄なので通常の株と同じように売買ができます。
そして株価下落で儲けるときに良く使われる「空売り」と違って信用取引の手数料がかかりません。

ただし注意点として、これらの商品は暴落が起きないと、基本的にずっと価値が下がり続けます。
そのため長期保有には向かない商品です。(詳しくは別記事で解説)
レバレッジをかけない
信用取引やFX、仮想通貨のように実際の資金の何倍もレバレッジをかけられる投資方法は危険です。
例えば100万円の資金で最大のレバレッジで投資した場合を考えます。
もし暴落で投資対象が半値になった場合、資金は下記のようになります。
暴落前の評価額
100(万円) × 3.3 =330(万円)
暴落後の評価額
330(万円) × 0.5 =165(万円)
上記のように165万円の損失となるため、もともとの資金100万円をすべて失ったうえに、65万円の不足金が発生します。
(実際には証拠金不足で途中で取引が停止されます)
逆張り投資をしない
逆張り投資とは値が下がっている株に、反発を期待してあえて投資をすることです。
安い株価で購入できるので、株価が上がれば大きな利益を得られるメリットがあります。
反面、暴落相場で逆張り投資をすると、株を買っても買っても下がり続けるので、損失がどんどん拡大してしまいます。
株に集中投資をしない
暴落が起きたときに株に集中投資せずに、債券や不動産、金などに資産を振り分けていれば、ダメージを下げることができます。
今のように株が絶好調のときだからこそ、意識して別の資産に投資することをお勧めします。
私が実際に投資をしていて、お勧めしたいのが債券ETFです。
債権は安全資産なので、暴落時に株と逆の動きをすることが知られています。
そして毎年分配金を受けられるので、銀行預金するよりもお得です。
詳しくはこちらの記事で説明をしています。
最後に
私が始めて暴落を経験したのは、2007年のリーマンショックでした。
2005年から少しずつ投資で増やしたお金が、一気に激減してショックを受けたのを覚えています。
ですが今思えば、あのときまだ数十万の投資資金しかなかったことで、立ち直るのが早く自分がいかに幸運だったのだと思います。
株式市場では何年もかけて貯めた利益を、わずか1日、1週間でマイナスにしてしまう魔物が住んでいます。
常にそれを忘れずに、リスクを管理してより長く相場に留まることが、大きな成功に繋がる秘訣だと思います。
さらに詳しい投資に関する知見をこちらの記事でまとめています。
このブログでは節約・副業・投資に関する資産形成に役立つ情報を紹介しています。
一人でも多くの読者の方が、今日から豊かな人生設計を始めるきっかけになればと思っています。
良かったら気になる記事を読んでみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
※関連記事です
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