「JREITに投資したいけど儲かるのかな?」
「JREITはやめとけって言われる理由を知りたい。」
こんな疑問がある人にJREITに2年間投資した私が感じた感想や、今後はお勧めしない理由を解説します。
JREITは2020年のコロナ禍で大きく値下がりするなど、運用面での安定性に疑問が持たれました。
2022年10月11日には総合商社の双日がJリート事業から撤退することを決定しました。
将来性・収益性に疑問を持ったため判断したと言えるでしょう。
実際に2年間運用して分かった私の経験からも「おすすめしない」が結論です。
この記事で詳しく解説していきます。
プロローグ

証券会社を久しぶりに見たらJリートがプラスに変わってたよ。
コロナで急落してどうしようって悩んでたのに。
すごい回復力だな。

そうなんだ。良かったね。
でもコロナが収まったわけじゃないし、持ち続けていていいのかな?

確かにそうだよね。
ホテル業界やオフィス、商業施設だって前のように人が戻るか分からないね。
うーん、売った方がいいのかなー。
この記事の内容を読むとこんなことが分かります。
- Jリートは小額で不動産投資ができる投資方法です
- Jリートを2年間運用した結果を報告します
- Jリートのメリット/デメリットを説明します
⇒Jリートをおすすめしない理由は値動きの激しさ、今後の動向、株との相性が悪いなど
- Jリートをやはり運用したいなら、おすすめの方法を説明します
- Jリート以外のおすすめの運用方法を説明します
著者について
- 株式投資経験は15年以上、個別株・投資信託・ETF・Jリートの取引履歴が多数あります
- 節約、副業で貯めた資金をコツコツ投資、40歳で資産は4000万円オーバーしました
- Jリートは2019年から2年間継続運用中
・この記事を書いている私のプロフィールはこちらです。
- 節約と投資と副業が趣味の40代サラリーマン
- 仕事は原価計算などお金に関する仕事一筋
- 趣味が興じて簿記2級を独学で取得
- 4人家族で生活費は月27万円。資産は4千万
- 35歳でうつ病を経験し、会社に依存しない生き方に挑戦中
全国630店舗以上!もみほぐし・足つぼ・ハンドリフレ・クイックヘッドのリラクゼーション店【りらくる】
JREIT(リート)投資信託はやめとけ。おすすめしない理由とは

JREIT(リート)投資信託とは
まずリートとは「不動産投資信託」のことです。
不動産会社が多くの投資家から資金を集めて、不動産を購入して賃貸料から分配金を支払います。
Jリートは日本国内の不動産会社が日本国内の不動産に投資して、分配金を払う投資信託です。

通常の株式会社の投資信託と同じように、証券会社で購入・売却ができます。
中でも東京証券取引所に上場しているJリートは株と同じように購入・売却が可能です。
委託管理料がかからないので、Jリートは上場している銘柄を取引するのが良いです。
JREITと不動産投資の比較
不動産に投資する方法は、JREIT以外にも実際に自分で不動産を購入して、家賃収入で利益を上げる不動産投資があります。
JREITと不動産投資は同じく収益物件に投資する方法ですが、いくつかの異なる点があります。(下表参照)

JREITは小額から投資ができて、株のように簡単に売買ができる特徴があります。
一方で不動産投資より価格変動が大きいので、短期間で損失を被る可能性があります。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
JREIT(リート)の種類
東京証券取引所に現在62の銘柄が上場しています。(2021/9)
Jリートには投資している不動産の対象によって種類が分かれています。
- 総合型(すべての用途に幅広く投資する)
- オフィス系
- 商業施設系
- ホテル系
- 物流系
- 住宅系
詳しくはこちらの記事で紹介しています。
JREIT(リート)の買い方
Jリートの買い方には3つの方法があります。
個別REIT
各投資法人が個別に上場させているのが個別REITです。
よく聞く不動産会社の銘柄があるので、海外REITより業種や営業内容が分かりやすいと思います。

投資信託
不動産投資信託は証券会社や銀行が発行しています。
100円から購入できる手軽さがあります。
ただし購入時の手数料と管理料がかかるので、注意が必要です。
ETF
ETFは東京証券所に上場しているので、個別REITと同様に証券所の開いている時間に売買ができます。
現在17種類の銘柄が上場しています。
手数料や信託報酬が投資信託より安いので、自分で個別REITを選択する時間や手間が無い場合にお勧めです。

JREIT(リート)投資信託を取り巻く状況
JREIT(リート)の新型コロナの影響
Jリートの直近の環境はコロナウイルスに大きく影響を受けています。
とくに観光業関係のJリートは大きな影響を受けた他、商業施設やオフィス関係も在宅する生活スタイルがこれから定着する可能性があります。
とはいえ、2020年3月におきた新型コロナショックで起きた、REIT指数の急落は4月以降は緩やかに回復しています。
今後もコロナウイルスの展開が大きく影響しそうです。
JREIT(リート)が受ける金利の影響
2022年3月に米国でFRBが金利上昇政策に転じて以降、度々金利の引き上げを行っています。
米国に限らずEUなどでも金利を引き上げる動きが続いています。
そうした金利上昇が起きると、JREITの利回りは相対的に低下してしまいます。
家賃やテナント料を簡単に上げることが難しいからです。
今後も金利上昇の傾向が続けば、JREIを購入したい投資家は減っていくものと思われます。
JREIT(リート)指数のチャート
Jリートはコロナショックで2020年3月に50%近い暴落をしたあと、2021年7月にはコロナ前の水準に戻りました。
その後はじりじりと値を下げ続けています。

社会情勢の不安定さなどが影響を及ぼしていると考えられます。
JREIT(リート)分配金の推移
分配金は過去10年間(2011~2021)で下のグラフのように推移しています。
青い折れ線がJリートの分配金、オレンジの折れ線が株式の配当金です。

Jリートは3~5%の間を行き来していて、東証1部の配当金より常に1%程度高く推移しています。
現在はJリート指数が回復したことで、利回りが低下してここ5年間の最低水準に近づいています。
JREIT(リート)投資信託に2年投資した結果
JREIT(リート)分散投資した銘柄
こちらが私がSBI証券で2019年から2年間、Jリート19銘柄に分散投資した運用結果です。

これだと分配金情報が入っていないので、下記の表にまとめました。

JREIT(リート)分散投資の結果
2019年からほぼ2年間にわたり運用をした結果は次の通りです。
- 434万円を投資して、評価額が53万円増えました(上の表の①)
- 分配金の合計は22万円でした(上の表の②)
- トータルの収益は75万円の利益でした(上の表の③)
利回りを計算すると約8.4%です。
ホテル関係のREITがコロナウイルスの影響で、軒並み評価額がマイナスになったのと、分配金が大幅に減額になったのを加味すればかなり優秀と言えます。
タラればになりますが、もしコロナショックが無かったら15%を超える運用成績になったかもしれません。
ですが私は将来的なリスクを考えて、すべての銘側を売却しました。
では次から2年間運用して分かったJリートはやめとけという理由を説明します。
JREIT(リート)投資信託はやめとけという理由
- 値動きが激しい
- 長期的な値上がり期待が薄い
- 分配金が安定しない
- 株と値動きが似ている(組み合わせてもリスクが下がらない)
- 複利の効果を受けにくい
- 地震のリスクがある
- 割安感が無い
- 不動産投資法人が倒産するリスクがある
1.暴落時の値動きが激しい
Jリート指数と株価指数の値動きを比較してみました。
1点目はコロナショックです。
ピンクが日経平均、青がJリートのチャートです。

2点目がリーマンショックのチャートです。
下のグラフがJリートのチャートです。

次にこちらが日経平均に連動する投資信託のチャートです。

コロナショック、リーマンショックいずれでもJリートが日経平均より値下がりが大きいことが分かります。
2.長期的な値上がり期待が薄い
Jリートの価値を決めるのは以下の項目です。
- 不動産価値
- 賃料の上昇
- 稼働率の上昇
日本の将来を考えた時に、これらの項目が順調に上昇していくと思いますか?
人口減少で空き家の増加、経済成長率の低下、高齢化社会・・
決して右肩上がりの成長を期待できないと感じてしまいます。
ちなみに同じ理由で、実物を購入する不動産投資もおすすめしません。
3.分配金が安定しない
コロナショックの前後で分配金がこれだけ落ち込みました。

特に黄色で塗った、ホテル関係の4銘柄が驚くほど減配しました。
自然災害への業績のもろさが明らかになったと思います。
4.株とJREITの同時保有はやめとけ
株とJリートを組み合わせて保有しても、分散投資のメリットが受けられません。
リーマンショックとコロナショックではJリートの方が、落ち込みが大きかったことは前の章で触れました。
さらに2011/3に起きた東日本大震災でも同様です。
上が日経平均、下がJリートに連動する投資信託のチャートです。

日経平均、Jリートともに大きく下げています。
5.複利の効果を受けにくい
複利の効果とは分配金や配当金を受け取ったらそのまま、再投資して利益を積み重ねることです。
インデックス投資などでは再投資の設定を自動で行えるのですが、Jリートの分配金ではできません。
もし複利の効果が得たいのであれば、自分で受け取った分配金を再投資する必要があります。
しかも分配金の金額で購入できるJリートが無いため、残りを補うかしなければいけません。
6.地震のリスクがある
日本は言わずと知れた地震大国です。
今後30年間で震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を示したマップがこちらです。

注目すべきは日本の3大首都圏すべてが、一番高い確率に含まれていることですね。
Jリートが所有する不動産の多くが、この地域に含まれるため今後リスクが高くなっていきます。
7.割安感が無い
REITの割安性を評価する指標にNAV倍率があります。
NAV倍率とは
- 株価時価総額を所有する不動産の時価評価額で割った数値
- 企業の株価に対するPBRと同等
- 1倍未満だと、株価が割安という目安に使える
現在のNAV倍率は下記のグラフのようになっていて、1倍を超えています。
コロナショックから回復した株価はすでに割安では無いということです。

不動産投資法人が倒産するリスクがある
不動産投資法人は通常の会社同様に、経営難に陥ると倒産するリスクがあります。
投資先の不動産には問題が無くても、投資法人固有のトラブルが原因ということもあります。
投資法人の経営状況までチェックするのは容易ではありません。
JREIT(リート)のメリット
JREITのデメリットを紹介してきましたが、反対にどういうメリットがあるのでしょうか?
ひとつずつ解説します。
- 分配金利回りが高い
- 少額で不動産投資ができる
- 分配金を毎月受け取ることができる
1.分配金利回りが高い
過去10年間(2011~2021)のJリートと東証1部銘柄の配当金の推移を比較します。
こちらのグラフをこちらを見れば一目瞭然です。
JREITは東証1部の配当利回りに比べて常に1%程度高く推移しています。

2.少額で不動産投資ができる
Jリートに投資すれば、自分で不動産を購入しなくても賃貸料を受け取ることができます。
数万円から投資できるので、借金をする必要がありません。
そして自分で不動産の手入れをする必要もありません。
その分、管理する不動産会社に仲介料を払う必要がありますが、専門家に不動産を管理してもらえるメリットは大きいと思います。
3.分配金を毎月受け取ることができる
株の配当金は3月9月決算の企業が多いので、決まった月にまとめてもらうパターンが多くなります。
Jリートは1年を通して各銘柄の決算がばらついています。
そのため決算が異なる銘柄を組み合わせることで、毎月途切れずに分配金を受け取れます。
4.物件管理や入居者を探す必要が無い
通常の不動産管理では物件で雨漏りがあったり、漏電があれば業者に修理を依頼したりします。
また物件に空きがあれば、入居者を探したりする手間もかかります。
Jリートであれば、管理は不動産会社が行ってくれます。
JREIT(リート)投資信託に投資するならお勧めの方法は

メリット、デメリットを考慮したうえで、Jリートで運用を考えるなら以下の点をお勧めします。
- 株とJリートに資産を偏らないようにする
- Jリートは投資信託では無く、上場している銘柄から選ぶ
- Jリートの銘柄を選ぶときは、業種を分散させる
1.株とJREIT(リート)に資産を偏らないようにする
暴落時に大ダメージを食らわないようにしましょう。
株をすでに持っていて、さらにJリートを追加する時は、株の配分を下げた分をJリートに投資するのが良いです。
そうすればJリートの高い分配金のメリットを受けつつ、暴落時のリスクを上げない運用が可能です。
2. JREIT(リート)は投資信託では無く、上場している銘柄から選ぶ
投資信託は委託管理料が高いので、自分で購入すると良いです。
上場している銘柄の数が、株と違って限りがあり、選ぶのに手間がかかりません。
その中で投資対象が違う種類のJREITに分けて投資すれば、十分に分散できる種類があります。
3. JREIT(リート)の銘柄を選ぶときは、業種を分散させる
Jリートにはホテル関連、倉庫関連、商業施設関連、オフィス関連などいくつかの業種があります。
リスクを避けるためには可能な限り、業種を分散して投資するのが良いです。
ちなみにですが、NAB倍率を業種別にみると下記のようになっています。

商業施設やホテルはコロナショックの影響が大きくでていますが、かといって実際に客足が元に戻るかは不明です。
割安だからといって簡単に投資を検討するのは危険です。
4.ETFやインデックスファンドはやめとけ
自分で個別にJREIT銘柄を選ぶのが大変で、JREIT指数に連動するETFやインデックスファンドを選ぶ人もいます。
ですが手数料や管理費が高いのでおすすめしません。
JREIT銘柄は株と違って銘柄数が少ないので、自分で業種が被らないように分散投資することができます。
5.海外REITを検討してみる
JREITではありませんが、海外REITに投資する方法もあります。
人口がこの先増える米国や新興国など様々な不動産に、少額で日本からでも投資する方法があります。
もちろん現地の情報が手に入れにくい、政情不安などのリスクがあって必ずしも国内より環境がいいわけではありませんが、ハイリターンを狙いたい人には1つの手段です。
こちらの記事で紹介しています。
JREIT(リート)投資信託以外でおすすめの運用方法を説明します

Jリートは分配金の高さが魅力ですが、デメリットが多いことを説明しました。
Jリートをポートフォリオに組み込むとしても、1割~2割が良いと思います。
私がメインでお勧めする運用方法はJリートではなく、海外ETFを使った運用です。
具体的な銘柄はこちらになります。
VOO バンガード・S&P 500 ETF
- 米国株式市場のS&P500指数への連動を目指すETFです
- S&P500関連ETFの中でも管理報酬0.03%で最低水準
VHT バンガード・米国ヘルスケア・セクターETF
- 米国株式の中でも医療銘柄を中心に組み込んだETFです
- 不景気下でも安定性が高い業種です
- 業種別のETFでは管理報酬は最低水準の0.1%です
BLV バンガード・ 米国長期債券 ETF
- 株式では無く米国債券価格に連動するETFです
- 運用成績は株より落ちますが、株価が暴落すると債券価格が上がり全体が安定します
- 毎年平均して3~4%の配当収入が得られます
- 管理報酬は最低水準の0.05%です
別記事で詳しく説明していますので、良かったら読んでみてください。
最後に
最後にこの記事をまとめます。
- Jリートは小額から不動産投資ができて、高い分配金を受け取れる投資信託です
- Jリートはコロナ前の水準にもどりつつあり、今後もコロナの動向に左右されそうです
- Jリートを2年間運用した結果は利回り8.4%でした
- 利回りは良好でしたが、値動きが大きく、減配、地震、将来性などで不安があります
- Jリートは株と同時に暴落するので、偏ったポートフォリオは危険です
- Jリートで運用をするなら上場銘柄、業種の分散を考慮しましょう
- お勧めの運用方法は海外ETFです
私が2年前になぜJリートに投資したかというと、分配金の高さと安定性を求めたからでした。
コロナショックが起きるまでは、これほど外部環境の変化に弱い商品だとは思っていませんでした。
コロナをきっかけに運用の方向性を考え直すことになりました。
投資に絶対はありませんが、考えて避けられるリスクはあります。
投資か一人一人が、目先の利益ばかり追求せずに冷静に考える必要があると思います。
さらに詳しい投資に関する知見をこちらの記事でまとめています。
このブログでは節約・副業・投資など資産形成に役立つ考え方を紹介しています。
一人でも多くの読者が、今日から豊かな人生設計を始めるきっかけになればと思っています。
良かったら気になる記事を読んでみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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