ETFは株価指数、債券価格、不動産指数、商品指数など様々な指数や価格に連動するタイプがあります。
株価が右肩上がりの近年は株価指数に連動するETFばかり注目を集めますが、加熱相場には必ず悲惨な暴落が待っています。
債権投資はそんな暴落から投資家を守る伝統的な投資方法ですので、債券ETFがどのようなものかご紹介していきます。
プロローグ

会社の持ち株を売却する人が増えているんだって。
最近、株価の流れが怪しくなっているのかな?
このまま株の積立投資していて大丈夫かな?

アメリカが金利を上げていく方針をだしているし、株の流れが変わるかもね。
株だけで持っているのは危険な気もするね。
こんな対策方法はどうかな?
この記事の内容を読むとこんなことが分かります。
- 債券ETFの内容、使い方について解説します
- 米国債券ETF『BLV』について解説します
- BLVのメリット・デメリットを解説します
- BLVと米国株ETFを組み合わせた運用方法を説明します
- その他の債権ETFとの比較を説明します
著者について
- 株式投資経験は15年以上、リーマンショック・東日本大震災の暴落を経験しています
- ETF投資歴は10年以上、S&P、債券、REIT(不動産)など経験豊富
- 節約、副業で貯めた資金をコツコツ投資、40歳で資産は4000万円オーバーしました
・この記事を書いている私のプロフィールはこちらです。
- 節約と投資と副業が趣味の40代サラリーマン
- 仕事は原価計算などお金に関する仕事一筋
- 趣味が興じて簿記2級を独学で取得
- 4人家族で生活費は月27万円。資産は4千万
- 35歳でうつ病を経験し、会社に依存しない生き方に挑戦中
債券ETF『BLV』安定感を再評価。暴落対策を考えたポートフォリオ

債券ETFとは
債券ETFは国や会社が発行している債券に連動した投資信託です。
東京証券取引所にETFが上場しているので、他の株と同様に売買が可能です。
また債券の利子を分配金で受け取り出来ます。
米国国券(短期・長期)、米国社債、新興国国債など様々な債券が投資対象です。
債券ETFの特徴
債権ETFは株式と同様に市場で売買ができますが、違う点もあります。
それは債券価格は株と異なる値動きをすることです。
債権と一括りでいっても様々な種類があります。
- 発行体:国や企業など
- 期間:何年で償還する債権か
- 格付け:格付け会社が信用に基づいて決めています
債券ETFの使い方
債券ETFを使うことで、債券でありながら株式市場で容易に売買ができるメリットを受けられます。
債券は株価の暴落時に値が上がったり、値動きが少ない特徴があるため、株式だけで運用するよりも安定感が増します。
下記のグラフの赤線がS&P500のチャート、それ以外が米国国債ETF価格です。

値動き以外にも分配金が安定して受け取れるメリットもあります。
株の配当のように会社の業績不振で突然配当が無くなるというリスクもありません。
デメリットとしては株価が上昇している場合に恩恵にあずかれなくなることです。
債券ETF『BLV』とは
ETF『BLV』 基本情報
基本情報は以下の通りです。

『BLV』は米国債の中でも特に長期債券を対象しています。
利回りが短期の国債より約1%平均して高い特徴がありますが、値動きは大きくなります。
下のグラフで見ると分かります。(緑⇒黄色⇒青⇒ピンクの順に長期)

ETF『BLV』のチャート
チャートは以下の通りです。
ETF『BLV』 格付け評価
2021/3のデータでは以下のような割合になっています。

一番多いウエイトを占めるのは信用度が最も高い米国国債で、残る格付けも投資適格対象以上です。
ETF『BLV』 分配品の推移
過去の分配金は以下の通りです。

10年間の平均で4.68%という高い利回りを達成しています。
また最低利回りでも3.75%ですので、安定感が非常に高いと言えます。
債券ETFどうしの比較・評価
他の債券ETFと比較した表は下記の通りです。
各項目で一番優れたパフォーマンスを水色で塗りつぶしています。

格付けでいうと『TLT』や『BSV』が良いのですが、分配金やパフォーマンスで見落とりします。
『VCLT』が最も分配金やパフォーマンスが高いのですが、格付けを見るとAAA(米国国債)がほとんど含まれていません。
それでいて分配金利回りは『BLV』とわずかな差です。
利回りがわずかな差であれば、信頼度が高い米国債をメインにしている『BLV』が良いのではないでしょうか?
※純資産価値とは・・資産から負債を除いたもの。数字が高いほど信頼性が高くなる。
債券ETF『BLV』のメリット・デメリット

債券ETF 『BLV』のメリット
毎月安定した分配金を受け取れる
- 株の配当は会社の業績や景気後退で突然、減額や中止されますが債券ではありません
- 年金のように計算できる収入として考えられます
- 銀行貯金よりはるかに高い利回りです
債権ETFは暴落への評価が高い
②の株価暴落のメリットについて詳しく解説します。
こちらが2008年に起きたリーマンショックのときの、S&P500のETF『SPY』(赤線)と『BLV』(青線)の値動きです。

『SPY』が暴落しているのに対して、『BLV』は逆に上がっているように見えます。
もっと分かりやすいように、実際に2008/3に100万円を投資した場合を考えます。
下のグラフの赤線が『SPY』に100万円、青線が『BLV』に100万円、緑線がそれぞれに50万円投資した場合です。

赤丸を打った場所(最も資産が減少した場所)はこうなりました。
- S&P500に100万円投資・・-44万円
- BLVに100万円投資:-14万円
- 50万円ずつ投資:-24万円
株価暴落にBLVが有効な手段だと分かりますよね。
債券ETF『BLV』のデメリット
債券型の中では価格に波がある
BLVは長期の米国国債がメインですが、短期の米国国債メインのBSVと比較すると値動きが大きいです。
下のグラフはリーマンショック前後のチャートです。

値動きは大きいのですが、トータルでは利回りが大きくなるため長期運用ならBLVがお勧めです。
債券投資はインフレに弱い
インフレ率が債券の分配金利回りを超えると、実質利回りがマイナスになります。
その他にもインフレが起きると、債券には好ましくない状況になります。
それは中央銀行がインフレを抑えるために金利を上げることです。
金利が上がると債券価格が下落して、投資収益が減少してしまいます。
特に長期債の場合には、下落率が大きくなります。(下図参照)

株の上昇相場では恩恵を受けられない
『BLV』をポートフォリオに入れると、株価が右肩上がりの相場では利回りが下がります。
投資ではリスクとリターンは相反するものなので、自分のリスク許容度を考えて、株と債券の割合を決めると良いと思います。
次の章で詳しく解説していきます。
債券ETF『BLV』の利回り・暴落をシミュレーションで評価
債券ETFの比率を変えてシミュレーション
では実際に債券と株式を組み合わせたポートフォリオを考えていきましょう。
下のグラフはBLVとS&P500のETFを組み合わせて運用した場合の資産推移です。
BLVを0%~100%まで25%きざみで検証しています。
2008年に100万円で運用を開始すると、2021年には下のグラフのようになります。

これだけ見るとBLVを入れない方がいいなと思いますよね。
債券ETFの分配金を入れた結果
次に毎月の分配金をすべて再投資した場合の運用結果を検証します。
分配金は年約4.5%で、税率20%で計算します。
結果は下のグラフの通りです。

やはりBLVが0%の場合が利回りが一番よくなりますが、その差がかなり縮みましたよね。
ですがこのままだと別にBLVを、ポートフォリオに入れる必要を感じないかもしれません。
次の項目でさらにBLVを評価していきます。
債券ETFは暴落対策になる
次に2020年に起きたコロナショックに焦点を当ててグラフを見てみましょう。

見て分かるように明らかにBLVが0%のときの落ち込みが激しいですよね。
グラフの結果を表にまとめてみましょう。

BLVを多く含むほど暴落時の損失が少なくなることが分かります。
ただし2019年1年間で見ると、BLVが多いほど利回りが低い結果になりました。
1次的な評価損は気にならない人なら、BLVを組み込む必要はないかもしれませんが、リーマンショックより大きな暴落が起きる可能性も0ではありません。
この結果を見てどう判断するかは人それぞれの考えや、投資するお金の性質などで変わると思います。
暴落など怖くないと考えれるなら『BLV』を入れる必要はありませんし、逆にリスクを冒したくない堅実にという考えなら『BLV』を増やせばいいと思います。
私は失敗が挽回できる20代や30代ならBLVは少なくして、年齢を重ねるごとにBLVを増やしていくのがよいのではと考えます。
最後に
最後にこの記事をまとめます。
- 『BLV』は米国の長期国債をメインとしたETFで、安定して4~5%の分配金を受け取れる
- 『BLV』をポートフォリオに組み込むと株価暴落時の備えになる
- 『BLV』は債券ETFの中では値動きが大きく安定感が無いが、長期運用なら利回りが高い
- 『BLV』をポートフォリオに組み込むと、株が右肩上がりのときは利回りが落ちる
- 『BLV』の分配金をすべて再投資すれば、株式のみのポートフォリオの利回りには届かないが、安定性が増す。
- 株式と『BLV』の比率を調整して自分に合ったスタイルを選ぼう
2022年3月現在、アメリカでは計画的に今後利上げが実施される予定になっています。
またコロナウイルスやウクライナ情勢をめぐって、インフレが進むことが予想されています。
この記事でも述べたように、利上げやインフレは債券投資の利回りを低下される要因です。
とはいえ、株価にすべての資金を投入するのは怖いし、金利がほとんどない普通預金に入れるのはもったいないかもしれません。
そこで1つ紹介したのはインフレ連動型の債権ETFです。
別記事で詳しく解説していますので、興味があれば是非お読みください。
さて最後にETFの購入方法ですが、楽天証券で購入するのをお勧めします。
楽天証券だけの特典があるからですが、詳しくはこちらの記事をお読みください。
さらに詳しい投資に関する知見をこちらの記事でまとめています。
このブログでは他にも生活に役立つ節約アイテムを紹介しています。
節約を始めるための手順をはじめ、資産形成に役立つ考え方を紹介しています。
一人でも多くの読者が、今日から豊かな人生設計を始めるきっかけになればと思っています。
良かったら気になる記事を読んでみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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